2012年9月12日水曜日

私の色つき立体地図作成法

2012.9.4記事「河川断面図作成方向」に海老川乱歩さんよりコメントがあり、色つき立体地図の作成方法について質問がありました。
コメントの返答で、私から作成方法の概要について説明しました。
このような経緯があり、私の色つき立体地図作成方法がこのブログをみていただいている方に何かの参考になるかもしれませんので、記事にしてみました。
あくまでGIS初心者としての私の方法であり、もっと効率的、効果的手順・方法があるかとは思いますが、一つの参考にしてください。

1 使うソフト
カシミール3D(DAN杉本氏著作によるフリーソフト)
地図太郎PLUS(東京カートグラフィック(株)発売)
画像整形ソフト(私の場合アドビのフォトショップcs5)

2 使うデータ
主データ
5mメッシュ(国土地理院ホームページから無償ダウンロード)
DMデータ(千葉市等関係する自治体都市計画部局から提供していただきました。)
補助データ
数値地図2500(空間データ基盤)(日本地図センターから購入)

3 手順の概念
手順をざっくり捉えるとつぎの2ステップです。
1) 立体表示させたい色つき地図を地図太郎PLUSで作成する。
2) カシミール3Dに5mメッシュと色つき地図を読み込みその二つを重ね合わせ、立体表示させる。

4 手順の詳細説明
4-1 ソフトの入手とインストール
省略します。
画像整形ソフトはjpgファイルを切抜するために使います。

4-2 データの入手
ア 5mメッシュ
地理院が提供している基盤地図情報5mメッシュ(標高)は写真測量を基に作成したものと、航空レーザ測量を基に作成したものがあります。
精度という面では明らかに航空レーザ測量を基にしたものが優れており、お勧めします。

このブログでは当初写真測量を基に作成したものを使用していましたが、終戦直後から現在まで抜開されたことのない林地の地形は不正確な部分が存在することを実感して、何度か記事にしきたところです。

国土地理院以外に、地方整備局が整備した航空レーザ測量を基にした5mメッシュ(標高)もあります。

イ DMデータ
ここでいうDM(デジタルマッピング)データとは都市計画用の基本図を自治体が電子地図として整備したものです。
GIS上では項目(例、等高線、道路、建物、植生、基準点、注記、…)毎に情報を表示できるので便利です。
表示の色や線の太さ等も自由にカスタマイズできます。
DMデータは自治体都市計画部局が管理しています。市販はされていないようです。
私は、このブログの記事作成目的(個人レベルの調査研究)により利用申請(書類提出)して千葉市、八千代市、四街道市、佐倉市、習志野市、船橋市よりDMデータを提供していただきました。

ウ 数値地図2500(空間データ基盤)
私は水部の水色と町丁目界線を強調して表示するために、市販の数値地図2500(空間データ基盤)の情報を補助的に利用しています。

4-3 カシミール3Dに5mメッシュを読み込む
「数値地図5mメッシュプラグイン」をカシミール3Dにインストールした後、カシミール3Dに5mメッシュを読み込みます。
これで地形の立体表示ができます。

4-4 地図太郎PLUSによる色つき地図の作成
ア 地図太郎に5mメッシュを読み込みます。

イ 5mメッシュにより段彩図をつくります。
・段彩は最大20区分までできます。また、区分の起終点や途中に色を指定して、指定していない区間を指定した色のグラデーションで変化させることができますので、「きれいな」段彩図を作成することができます。
・また陰影(高さ調整可能)を付けることもできます。

地図太郎PLUSの段彩設定画面

ウ 段彩図に必要な情報をオーバーレイ表示します。
・DMデータから等高線と道路等を標示すると位置が直感的にわかるようになります。
・経緯度線を表示すると、後で立体表示したとき、立体感を増幅させる効果があります。

4-5 地図太郎で作った地図(の画面)の保存(jpgファイル)
ファイル→印刷イメージを保存→緑の地図太郎の印刷と同じイメージスケールバー、図郭線、四隅経緯度あり
この時、jpgファイルの四偶に経度・緯度のデータが書き込まれています。

印刷イメージの保存(四隅経緯度あり)結果(jpgファイル)
上下に余白がありスケールバーと四隅経緯度がある

4-6 jpgファイルのコピーをつくりその余白部分の除去(単純な切抜)
私はフォトショップを使って作業しています。

5 カシミール3Dによる立体表示
5-1 余白を除去したjpgファイル(色つき地図)のカシミール3D取り込み
ファイル→地図を開く→新しい地図を開く
新しい地図を開くの操作の中で、左上と右下の経度・緯度をカシミールの画面にしたがって入力します。

なお、カシミール3Dでは標高データと重ねる地図はビットマップが指定されていますが、jpgファイルで可能です。(私は全てjpgファイルで取り込んでいます。)

5-2 カシミール3Dに取り込んだjpgファイル(色つき地図)と標高データ(5mメッシュデータ)の重ね合せ
編集→標高データを重ねる(matの作成)

5-3 カシミールにおけるカシバード起動による立体地図の表示
カシバードを起動後、撮影位置、撮影方向、撮影高度、高さ強調レベル等を工夫して、納得のいくまで撮影を繰り返します。

ディスプレイを2枚使った場合のカシミール3Dとカシバードの画面見本

左画面がカシミール3Dの画面です。
画面左下にカメラ位置と撮影方向を示すピンクのカーソルがあります。
右画面がカシバードの画面で撮影結果を示しています。

5-4 カシバードの立体地図表示画面の保存(bmpファイル)
カシバードの撮影結果はbmpファイルで保存できます。

6 bmpファイルの活用
bmpファイルに説明文字等を書き込みjpgファイルとして書き出して活用します。(私はイラストレーターcs6を使っています。)

以上

1 件のコメント:

  1. 海老川乱歩です

    クーラーさん、ありがとうございました。

    足りないものをそろえて自分も立体地図を体感したいと思います。
    自分の家の近くに気になる地形があるので、このブログで教えて頂いた
    手法を活用して自分なりに調査してみたいと思います。

    返信削除