2012年12月30日日曜日

地物の3次元モデル化ソフト image master ビギナーズ

今年の9月に、好学趣味の一環として、日本写真測量学会主催デジタル写真測量講習会に参加しました。
この講習会で、通常のデジカメと写真測量ソフト(「image master ビギナーズ」というデジタル写真測量入門ソフト)を使った3次元モデル作成法について体験しましたので、参考までに報告します。

1 講習会参加目的
私がこの講習会に参加した目的は、空中写真あるいは通常の風景写真を実体視した時に、自分が感じた立体感覚をそのまま第三者に伝える方法がどこかに無いものかと探していたところ、地物を3次元モデル化するパソコンソフトが世の中にあり、それが写真測量ソフトというものらしいと気がついたからです。
この講習会ではimage master ビギナーズというソフト(学習教育用ソフト)の操作方法等を体験でき、ソフトも無償で入手できると知り、そのために日本写真測量学会の会員になり、講習会に参加した次第です。

デジタル写真測量講習会風景(2012年9月11日)

2 3次元モデル作成に用意するもの
・通常のデジカメ
・ソフト「image master ビギナーズ」とパソコン

3 デジカメのキャリブレーション
image master ビギナーズに内包されているソフトimage master calibを使って、デジカメ個体の歪みを計測します。
この歪み計測データにより、撮影した画像の歪み補正画像を作成することができます。

image master calibを使って計測するカメラ内部のパラメータは次の項目です。
① レンズの焦点距離     : f
② レンズの歪み(放射方向) : K1,K2
③ レンズの歪み(接線方向) : P1,P2
④ センサの主点位置     : Xp,Yp

キャリブレーションは次の写真に示すような壁に貼った目標を左右、上下から角度を変えて撮影してパソコンにセットすれば、ソフトがカメラ内部のパラメータ(カメラデータ)を自動計測します。

キャリブレーション用目標

私のデジカメのキャリブレーションの結果

4 練習用モデルの3次元モデル化
主催者が用意した単純な形状の練習用モデルを写真撮影しました。

練習用モデルの撮影

撮影は左側からと右側からの2枚です。 この2枚の写真をimage master ビギナーズで標定(同じ地点の計測など)し処理すると3次元モデルを作成できます。

パソコン上に作成した3次元モデル

3次元モデルはパソコン上で自由に動かしてみることが出来ます。
また、次のように、任意の平面を基準にして等高線を描くこともできます。

3次元モデルに等高線を描いた画像

また、3Dモニター偏光メガネ用立体画像も作成できます。3Dモニターと偏光メガネを用すればパソコン上で実体視できるというわけです。

3Dモニター偏光メガネ用立体画像

5 感想
世の中にこのようなソフトがあり、その使い勝手(自分にとっての使い勝手)レベルが体験できたことは大変良かったと思いました。
何よりも、手持ちのデジカメがパソコンソフトにより、一級の測量機器に変身することが魅力的です。
このソフトにこだわることなく、類似のソフトについても検討して、次のような活動を個人レベルで実現したいという夢が広がりました。

趣味活動の一環として、小型無人飛行体から花見川等の空中写真を超低空から撮影し、特徴的地物(例 覆土されたトーチカ)の3Dモデルを作成して情報分析し、地域を知る活動を深める。

なお、image master ビギナーズの親ソフトはトプコン製3D画像計測統合ソフトウェア「image master photo」であり、価格が60万円程度ということのようです。

2 件のコメント:

  1. 海老川乱歩です。

    「写真測量講習会」紹介の記事ありがとうございました。
    このような会が有るのですね。興味があります。
    小生が想像していたのは、このような方法です。
    撮影角度が違う近しい2枚の写真を使用して、
    3Dモデルを作成できるとはすごいですね。
    撮影済みの撮影角度が違う近しい2枚のどのような写真でも
    3Dモデルを作成できるのでしょうか。
    (例えば、USA-R2769-94とUSA-R2769-95等)

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  2. コメント遅れて失礼しました。

    このソフトでは、自分のカメラで空中写真を撮れば3Dモデルができるので、米軍空中写真からでも、原理として出来ると思います。カメラの情報がないので、相対的なモデルになってしまうなどの不十分な結果にはなると思いますが。
    ただ、このソフトの使い勝手に習熟しているわけではないので、米軍空中写真から3Dモデルを作成するなどのアクションをするとなると、時間とエネルギーの消費が大きいと感じられます。このソフトの活用にすぐに踏み出す決意は今ありません。
    所詮機能限定の見本版ソフトです。この親ソフト(60万円)が何かの拍子に入手できたとすれば、他の活動は差し置いて、1か月くらいそのソフトに熱中して遊ぶことになると思います。
    しばらく、地物の3Dモデル作成ができるソフトを探してみたいと思っています。

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