2016年7月23日土曜日

メモ 墨書土器DBのGISDB化の原理 その1 遺跡レベル 

公開されている墨書土器データベースをGISデータベース化する原理をメモしておきます。

このブログでは墨書土器データベースのGISデータベース化を遺跡レベルと遺構レベルの2段階で行っていますので、それぞれの原理をメモします。

この記事では遺跡レベルについてメモします。

1 墨書土器データベースの項目

墨書土器データベースの画面を示します。

墨書土器データベース画面

この画面に遺跡の緯度経度情報を追加することにします。


2 遺跡GISデータベースの項目

公開されている遺跡データベース(ふさの国文化財ナビゲーション)では位置情報項目はありませんが、利用した遺跡GISデータベースの画面は次の通りです。

ふさの国文化財ナビゲーションではWEB上にGIS画面が表示されていて位置情報を取得できます。(※)、

※ブログ花見川流域を歩く番外編2015.09.06記事「遺跡のGIS用位置情報取得方法(千葉県)」参照

遺跡GISデータベース画面

遺跡GISデータベースと墨書土器データベースは「遺跡名」が共通項目として存在します。

この共通項目を使って墨書土器データベースに、遺跡データベースから緯度・経度情報を流し込むという方法を使います。

その方法の原理は次の通りです。

3 位置情報流し込みの原理

墨書土器データベースはデータベースソフトFile Makerに構築されています。

この墨書土器データベースファイルに新規テーブルとして遺跡GISデータベースを読み込みます。

File Makerのリレーション機能を使って墨書土器のテーブルと遺跡GISのテーブルの間を「遺跡名」でリレーションシップをつなぎます。

「遺跡名」でリレーションシップをつなぐと、墨書土器のテーブルに遺跡GISの緯度、経度の項目を表示させます。(他の項目を表示することも可能です。)

このような操作で墨書土器データベースに位置情報を流し込むことができます。

遺跡レベルでGIS化した墨書土器データベース画面

一つの遺跡から3桁の墨書土器が出土することも珍しいことではありませんが、その場合その3桁の墨書土器レコード(データ)に全て々緯度、経度情報が流し込まれます。

こうして作成したファイルをcsv出力すればそのままGIS(地図太郎PLUS)にプロットできます。

次の図は釈文「大万」で検索したデータベースの結果をそのままプロットしたものです。

墨書土器「大万」が出土する遺跡

複数の出土がある遺跡には同じ場所にデータ(レコード)がプロットされるので、遺跡分布図のようになります。

csvファイルを多少いじれば、GIS(地図太郎PLUS)では次のような頻度分布図のような表現も可能となります。

墨書土器「大万」の出土数イメージ

なお、実務的には墨書土器データベースの遺跡名と遺跡GISデータベースの遺跡名が異なる場合があり、多少のファイル調整が必要になります。

見た目では同じ遺跡名でも「ニカ領」と「ニヵ領」「ニヶ領」の違いをパソコンは同じものとして認識しません。

また「○○遺跡」と「○○遺跡 A地区」も同じものとして認識してもらえません。

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