点情報の分布の様子を把握し、比較するということは大きな特徴を大ざっぱに説明することになり、客観性が乏しくなるので、この記事では陥し穴分布図と旧石器時代遺跡分布図のヒートマップを作成して、それに基づいて、改めて考察します。
1 千葉県 陥し穴分布ヒートマップ
千葉県 陥し穴分布ヒートマップ
半径パラメータ5㎞でヒートマップを作成しました。ドットプロット情報を等高線図のような平面分布図に集約したことになります。
半径5㎞圏に存在する陥し穴数を計算して、その数が多いところが赤、少ないところが青とした5段階評価を行い分布図にしたものです。
分布図の粗密を相対的に5段階区分したということです。
陥し穴分布は縄文時代狩猟好適地の分布であると考えますから、赤色地域付近は縄文時代の有数な狩猟好適地で、その分布は千葉県中央部に存在します。
2 旧石器時代遺跡分布ヒートマップとの比較
千葉県 旧石器時代遺跡分布ヒートマップ
半径パラメータ5㎞です。
旧石器時代の狩猟好適地は下総台地各所に点在しています。
縄文時代狩猟好適地の分布とは大いにその特性が異なります。
旧石器時代には下総台地各所に動物が生息していて、その狩が生業として成立していたのですが、縄文時代の狩が生業として成立する地域の主要部は千葉県中央部付近に限定されてしまったということです。
縄文時代にはオーバーキルで動物生息数が減少して台地での狩猟が徐々に困難になり、山に近い村田川付近の台地だけが主要な狩場になったと考えます。
3 千葉県中央部付近のヒートマップ比較
千葉県中央部付近のヒートマップ比較
千葉県中央部付近のヒートマップを比較すると、旧石器時代には赤(狩猟好適地)であったけれども縄文時代にはそこから外れた地域(A)と、旧石器時代には赤ではなかったけれども縄文時代には赤になった地域(C)が存在します。
A地域は貝塚集落地域として開発されたので狩猟地域から外れ、C地域はおそらく縄文時代に狩猟地域として新たに開発した地域であると考えます。
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