2017年11月6日月曜日

8・9世紀下総開発集落学習用年表の作成

2017.10.26記事「泥縄式学習」でメモしたように幾つかの図書を読んで、私家版の古代開発集落理解用年表を作成しました。

8・9世紀下総開発集落学習用年表

年表を作成してみると、いままで頭の中で結びついていなかった事柄が同時代の事柄として理解でき、錯誤していた事柄も整序され、時代を総合的に観察できるようになりました。

例えば、8世紀前半から中頃に武蔵国からつながる東海道駅路、下総国府・国分寺、5つの諸国牧、下総国内の幹線陸路・水運路、各地の開発集落が総合的連携的に建設されたことを理解しました。現代の大規模総合開発にも勝る総合開発です。
律令国家が下総国を東北進出の一大兵站基地とするためです。
このような時代感覚を持てたことにより自分の歴史理解がさらに深まります。

また次のような錯誤も正すことができました。
延喜式諸国牧は通常の歴史書では延喜式完成(927年)の平安時代のページで説明されます。それは文書としての延喜式完成が平安時代であるからです。
しかし諸国牧(高津馬牧、大結馬牧…)の実体を平安時代のものとして理解するとすれば、それは錯誤になることを知りました。
平安時代(10世紀)の下総は俘囚の反乱や僦馬の党を経て国家権力が空白に近い状態です。牧を担った台地上の開発集落はほとんど全て衰滅してしまっています。
秩序だった牧の存在はあり得ません。国家中央の文書の記載の中だけの話です。

私家版年表を今後さらに充実させることにします。

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