2022年4月11日月曜日

加曽利EⅤ式・称名寺式深鉢(No.37)(千葉市餅ヶ崎遺跡) 観察記録3Dモデル

 Kasori EV-Syomyoji type deep bowl  (Mochigasaki site,Chiba City) Observation record 3D model


Kasori Shellmound Museum Reiwa 3rd year special exhibition "That is also E Kasori E type pottery Chiba City 2 -Kasori EIV type pottery and its descendants-" Kasori EV-Syomyoji type deep bowl  (Mochigasaki site,Chiba City) was observed with a 3D model. 

It is a pottery with the cord-mark impressions on the entire body (simple pottery), and I imagined that the sunken line was a trace of practice for a beginner.


加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」に展示された加曽利EⅤ式・称名寺式深鉢(No.37)(千葉市餅ヶ崎遺跡)を3Dモデルで観察しました。

1 加曽利EⅤ式・称名寺式深鉢(No.37)(千葉市餅ヶ崎遺跡) 観察記録3Dモデル Kasori EV-Syomyoji type deep bowl

加曽利EⅤ式・称名寺式深鉢(No.37)(千葉市餅ヶ崎遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE これもE 加曽利E式土器 千葉市編2 -加曽利EⅣ式土器とその末裔たち-」

撮影月日:2022.02.24


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.503 processing 94 images

Kasori EV-Syomyoji type deep bowl  (Mochigasaki site,Chiba City) Observation record 3D model

Location: Kasori Shellmound Museum Reiwa 3rd year exhibition "That is also E Kasori E type pottery Chiba city edition 2 -Kasori E IV type pottery and its descendants-"

Shooting date: 2022.02.24

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.503 processing 94 images


3Dの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる平面展開


GigaMesh Software Frameworkによる平面展開

3 メモ

3-1 展示説明


展示説明

この土器は4単位波状器形で口唇部が無文であることや横位連携弧線文意匠があること、細い沈線で意匠が描かれていることなどから加曽利EⅤ式の特徴を備えています。一方、J字文意匠があることなどから称名寺式土器の特徴もみられます。このような特徴から、企画展では「加曽利EⅤ式・称名寺式深鉢」と呼称されています。

3-2 全面縄文施文という特徴

この土器は口唇部を除き全面縄文施文されています。これと同じタイプの土器として加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡)を既に観察しました。


加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡)

2022.04.06記事「加曽利EⅤ式深鉢(No.15)(千葉市上谷津第2遺跡) 観察記録3Dモデル

全面縄文施文土器は加曽利EⅢ式土器、加曽利EⅣ式土器にもあることから、ある特定の目的のためにつくられた簡易土器であると想定します。2022.04.06記事では一つの可能性として調理ではなく繊維や動物皮の加工や染色に使ったと想像してみました。

この土器も簡易作成土器です。この土器に沈線が描かれていますが、書き損じのような多数の中途半端な沈線が描かれています。沈線は全て縄文施文の後に描かれています。全体として、この土器に特定の意匠を浮かび上がらせるように線を描いたとはとても見ることができません。


中途半端に描かれた多数の沈線

こうした状況から、この土器は簡易土器としてつくられた時、土器デザイン方法の訓練・練習台として活用されたものと推察します。土器施文の初心者がどんな感じでラインを書いたらよいか練習した跡であると推察します。

その時練習して描いた線に横位連携弧線文とかJ字文とかがあったということになるのだと思います。


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