2022年4月29日金曜日

加曽利E式土器の底部狭小化プロセス意義の理解

 Understanding the significance of the process of narrowing the bottom of Kasori E-type pottery


The bottom of the Kasori E-type pottery narrows over time. This change in pottery shape can be seen from the perspective of improving heat conduction efficiency and heat retention efficiency. It's a kind of cooking innovation.


加曽利E式土器はEⅠ式→EⅡ式→EⅢ式→EⅣ式と時間を経過するに従って、底部が狭小化します。


加曽利E式土器の移り変わりのなかで底部狭小化を指摘する資料

加曽利貝塚博物館H30企画展「あれもE…」パンフレット引用加筆

この底部狭小化意義について、調理道具としての高機能化(調理道具としての使い勝手の向上)として捉えられると直観しましたので、その思考を忘れないうちにメモしておきます。


底部が狭小化したことによる効果

加曽利EⅠ式から加曽利EⅣ式にかけて底部が小さくなる方向で器形が移り変わったことによる効果として次の2点を指摘できると考えます。

1 炎(強火)で調理する時、Bの割合(煮えにくい部分の割合)が少なくなった。

2 下部にカーブが生まれることにより、炎(強火)、熾火(弱火)ともに土器に接する面積が増大し、熱伝導効率及び保温効率が向上した

このように考えられますから、「底部狭小化プロセスは、より効率的に調理を行うための土器高機能化プロセスである」と仮説することができます。

加曽利E式土器の器形変化を土器型式の視点からだけでなく、道具の進歩、調理技術革新などの技術的視点から見ることも可能であると感じました。


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