2023年5月1日月曜日

359番土器破片分布の様子

 State of distribution of 359 pottery fragments


I observed the distribution of fragments of No. 359 pottery unearthed from the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. The fragment distribution of this pottery is unique, and it was unearthed from a soil layer that was not a shell layer. It seems that it has been dumped from the right bank (east bank) of the gully and has hardly moved.


有吉北貝塚北斜面貝層出土の359番土器の破片分布の様子を観察しました。この土器の破片分布は特殊で、貝層ではない土層から出土しています。ガリー右岸(東岸)から投棄されてほとんど動いていないようです。

1 359番土器撮影の様子


359番土器撮影の様子

周回撮影して3Dモデルを作成しました。

加曽利EⅡ式新段階深鉢(No.359)(千葉市有吉北貝塚) 3Dモデル

2 359番土器の出土メッシュ特定


有吉北貝塚北斜面貝層 359番土器破片の出土メッシュ特定(内面反転画像)

土器内面の注記から破片出土メッシュを特定しました。


有吉北貝塚北斜面貝層 359番土器破片の出土メッシュ特定

展開はGigaMesh Software Frameworkを使いました。

3 359番土器破片分布の様子


359番土器破片分布の様子

この土器の破片分布は特殊で、破片が密集して分布しています。ガリー右岸(東岸)から投棄されてから、流水の影響ではほとんど動いていないようです。


359番土器破片の平面分布(発掘調査報告書掲載グラフ)

発掘調査報告書掲載グラフ確認すると、359番土器破片は貝層ではなく土層に分布しています。この土器だけ特殊な分布をすることと、この土器が口縁部文様帯を欠く、簡易的な作りであることと関係があるのかどうか、今後思考を深め楽しむことにします。

4 359番土器の出土メッシュ情報


Ⅱ-66


Ⅱ-76

5 メモ

発掘調査報告書掲載グラフでは土器破片平面分布が詳しくプロットされています。2m×2mメッシュをさらに10×10=100の区画に分けた詳細メッシュ程度の精細位置情報があるようです。立面分布グラフも同じく精細です。一方、土器破片そのものには2m×2mメッシュ番号が注記されています。従って、土器破片個別番号毎に精細位置情報が記録された資料が発掘調査報告書作成時点ではつくられています。その精細位置情報と高さ情報の数値情報が現在でも残っていて利用できるならば、グラフから読み取る精度限界のある情報とは比べもにならない価値の大きな分析が可能になると考えます。


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