2023年6月27日火曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 土器3D座標取得完了

 North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

Completion of pottery 3D coordinate acquisition activity


As a hobby activity, the acquisition of 3D coordinates of pottery, which has been the biggest concern since December last year, has finally been completed. 3D coordinates were obtained using Python from the graph published in the excavation report. In the future, I will carefully develop the 3D space analysis activities for pottery.


趣味活動における昨年12月以降の最大懸案事項であった土器3D座標取得活動がようやく完了しました。発掘調査報告書掲載グラフからPythonを活用して3D座標を取得しました。今後じっくりと土器3D空間分析活動を展開していくことにします。

1 土器3D座標取得結果

有吉北貝塚北斜面貝層における出土土器の3D座標取得結果は次の通りです。


有吉北貝塚北斜面貝層 土器3D座標取得状況

実際の3D座標は次のようなテキストになっています。


3D座標のテキスト記載

2 加曽利EⅡ式土器114点(545破片)3D分布モデル

加曽利EⅡ式土器114点(545破片)3D分布モデル

加曽利EⅡ式土器114点(545破片) 赤CUBE

(CUBEの大きさは30㎝×30㎝×30㎝で表示)

加曽利EⅡ式土器の3D座標は発掘調査報告書グラフから計測

ガリー侵食地形面及び一般地形面は貝層断面図、貝層平面図から作成

等高縞模様は等高線に見立てるとおおよそ60㎝間隔

剥ぎ取り断面図は展示物3Dモデル及び上守秀明氏提供画像から構成


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式土器114点(545破片)3D分布モデル画像 1


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式土器114点(545破片)3D分布モデル画像 2


有吉北貝塚北斜面貝層 加曽利EⅡ式土器114点(545破片)3D分布モデル動画

3 今後の分析活動について

3D座標取得という基礎作業が一段落しました。これからはこの作業を整理記録するとともに、3D座標をつかった分析活動を展開することにします。つぎのような項目について順次取り組みます。

3-1 3D座標取得活動の整理記録、課題

今回の3D座標取得では計測のみならずデータの整理など多様な曲面でPythonスクリプトを活用して効率化を図りました。その様子を詳しく整理記録して、類似作業が生まれた際にすぐに出来るように備えることにします。また、より精度の高い土器3D座標取得方法を検討します。

・3D座標取得方法の記録

・利用Pythonスクリプトの整理格納

・発掘調査報告書掲載グラフの精度や問題点

・収蔵土器及び発掘原票を使った土器3D座標取得方法の検討

3-2 土器3D座標による分析

3-2-1 加曽利EⅡ式土器新分類に基づく型式別分布分析

加曽利EⅡ式土器の型式新分類に基づく3D分布を比較して分析します。

2023.01.29記事「有吉北貝塚北斜面貝層の土器新分類の整理理解

土器新分類による土器3D分布により、貝層発達、利用状況に関する新たな情報獲得を期待しています。

3-2-2 個別土器破片3D分布分析

個別土器破片3D分布を比較して、何か判ることがあるか、検討します。

破片が広範に分布する土器とそうでない土器の違いは何を意味するのか、興味があります。

3-3 3D空間分析手法の開発

平面分布モデルでは分布の密-粗を色で表現するヒートマップ分析など多様な分析手法が存在します。


平面分布のヒートマップ例

同様に3D空間における密-粗を色で表現する3Dヒートマップ分析などの手法について情報収集し、既存手法があれば入手利用することにします。見つからなければ、初歩的なレベルにならざるをえませんが、自分で開発することにします。一般的なweb検索では3Dヒートマップ分析手法は見つけていませんが、気体、天体、肉体、地震などを扱う専門分野には必ず類似手法があると想像します。



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