2023年6月19日月曜日

有吉北貝塚北斜面貝層における全出土遺物の3D座標取得活動について

 Acquisition of 3D Coordinates of All Excavated Artifacts in the North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound


I am working on acquiring the 3D coordinates of excavated pottery in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound.

After this activity, I wanted to acquire the 3D coordinates of relics other than pottery, so I examined the procedure (batch acquisition) and made a note of the effect.


有吉北貝塚北斜面貝層における出土土器3D座標取得活動を進めています。座標取得方法は発掘調査報告書掲載分布グラフ(平面図、立面図)の計測で行っています。この方法で取得できる土器3D座標数は約800です。

この活動後に土器以外遺物の3D座標を取得したいと考えていますが、この記事ではその手順について検討しました。

1 土器以外遺物で3D座標を取得したいもの


土器以外の遺物で3D座標を取得したいもの

2 土器以外遺物の3D座標取得手順

当初、土器以外遺物の3D座標取得順番は興味の強い遺物→そうでもない遺物の順番で行うイメージでした。しかし、よく考えると、遺物種別毎に何回も遺物分布図と遺物台帳の閲覧を申請し、その回毎にそれらの紙資料をスキャンするのは大変非効率であることは目に見えています。教育委員会ご担当者にも不必要なご迷惑をかけることになります。そこで、遺物分布図と遺物台帳のスキャンは一気に一度に実施し、スキャン資料から作る遺物別3D座標データベースは、時間をかけてじっくり行うことが常道であると感じるようになりました。

このような思考に基づいて、土器以外遺物の3D座標取得は次のような手順で行うことにします。

●土器以外遺物の3D座標取得手順

1 北斜面貝層に関する全遺物分布図、全遺物台帳のスキャン申請、許可によるスキャン実施

2 スキャン資料の整理と使いやすい格納

3 スキャン資料から遺物種別や特定メッシュ全遺物の3D座標を取得する。

3 北斜面貝層の遺物分布図、遺物台帳一括スキャンの利点

遺物分布図、遺物台帳を一括スキャンすると、発掘調査報告書リストに掲載されていない出土物3D座標を知ることができるという大きな利点が生まれます。

4 一括スキャン利点を活かした興味ある検討

一括スキャンで生まれるリスト非掲載遺物3D座標取得を活かして次のような興味ある検討が可能となります。

4-1 「崩落土」から土器出土があるのかどうか確かめることができる

土器の3D座標はおそらく10000以上取得できると思います。土器型式は遺物分布図と遺物台帳からはわかりません。しかし「崩落土」のどのような部位から土器出土があるのかということが判るだけでも、貝層発達判断の有力な情報となることが考えられます。


全出土遺物の3D分布密度 斜面貝層と崩落土の関係に興味がある

4-2 最下部遺物の座標からガリー侵食基底面の高さを推定できる

ガリー侵食域では、最下部に位置する遺物の座標からガリー侵食基底面の概略の高さを知ることができます。貝層断面のないガリー侵食谷頭部ではガリー侵食基底面の高さを知るうえで有力な情報となります。

一方、貝層の発達しない一般地形面では最下部に位置する遺物の座標から当時の地形面を推定する手がかりになります。


遺物の3D分布下限からガリー侵食基底面を想定する

4-3 3D空間における遺物分布密度を知ることができる

北斜面貝層のある特定メッシュ、あるいはある特定区域、あるいは全体を対象にして3D空間における遺物分布密度を知ることができます。全遺物の3D分布密度がわかれば、貝層発達判断の重要な指標となります。この情報に遺物種別の分布密度が一緒に判れば、貝層発達だけでなく、貝層利用の様子が手に取るように判るようになることが期待できます。


仮想的な遺物分布密度の違い

左は下部で2層で分布密度が2倍となっている創作事例です。3D分布密度を表現する3Dヒートマップなどの開発も必要だと考えます。

5 一括スキャン活動のイメージ

まず、現在活動中の土器3D座標取得活動を完成させます。

次に、メッシュ20ヶ所(遺物分布図10枚分)程度を対象に一括スキャンのテスト活動を1日間の予定で行い、作業時間や作業課題に関する情報を得ます。このテスト活動を踏まえ、残りの作業を本作業として数日かけて行います。

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