2025年10月22日水曜日

貝層3D空間における装飾品分布復元(遺物データベース試用)

 Reconstructing the Distribution of Ornaments in 3D Space in the Shell Layer (Artifact Database Trial)


I created a 3D distribution model of 55 ornaments (clay, stone, bone, horn, tooth, and shell) described in excavation reports with complete 3D coordinates. Notably, ornaments were excavated in large numbers from the downstream slope of the shell layer on the northern slope.


発掘調査報告書に記載され、かつ3D座標が揃った装飾品(土製、石製、骨角歯牙製、貝製)55件の分布3Dモデルを作成しました。装飾品は北斜面貝層の下流部斜面から多く出土していることが特徴です。

1 有吉北貝塚北斜面貝層装飾品分布3Dモデル

有吉北貝塚北斜面貝層装飾品分布3Dモデル

装飾品件数(発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの):55件

内訳

土製耳飾(前期耳飾1件、中期耳飾4件)赤色:5件

石製装飾品(コハク製装飾品など)青色:11件

骨角歯牙製装飾品(イノシシ犬歯製垂飾など)灰色:17件

貝製装飾品(イモガイ製腰飾など)黄色:22件

1件を直径5㎝球で表現

3DF Zephyr v8.029でアップロード


3Dモデルの動画


装飾品の分布

2 素材別装飾品分布

2-1 土製耳飾分布


土製耳飾分布

2-2 石製装飾品分布


石製装飾品分布

2-3 骨角歯牙製装飾品分布


骨角歯牙製装飾品分布

2-4 貝製装飾品分布


貝製装飾品分布

2-5 参考 全遺物分布


全遺物分布

3 メモ

装飾品の分布は貝層分布域に限られています。

装飾品は北斜面貝層の下流部斜面から多く出土していることが特徴です。この傾向は貝製装飾品で顕著です。ただし、土製耳飾は全て上流部それも谷頭部から出土しています。

装飾品の投棄(埋納)は単純な廃棄活動が考えづらく、埋葬や何らかの祭祀と関わっていたと想像しますので、その分布を今後詳しく検討します。



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