Reconstructing the Distribution of Wild Boar Jawbones in 3D Space in Shell Layers (Artifact Database Trial)
I created a 3D model of the distribution of 65 wild boar jawbones, each with its corresponding 3D coordinates, as described in excavation reports. In my prior research, I had found cases where wild boar jawbones were excavated in combination with hunting tools (stone arrowheads, fishhooks, arrowheads, and piercing tools made from bone, antler, and tusks). Therefore, I searched for these items throughout the entire area. Contrary to my expectations, the number of cases was only six out of a total of 65.
発掘調査報告書に記載され3D座標が揃ったイノシシ顎骨65件の分布3Dモデルを作成しました。イノシシ顎骨と狩猟道具(石鏃、骨角歯牙製釣針・鏃・刺突具)がセットで出土する事例を事前研究で見つけていたので、それを全域を対象に探しました。結果は、予想に反して6件/全65件で少ないものでした。
1 有吉北貝塚北斜面貝層イノシシ顎骨分布3Dモデル
有吉北貝塚北斜面貝層イノシシ顎骨分布3Dモデルイノシシ顎骨件数(発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの):65件
1件を直径5㎝球で表現
3DF Zephyr v8.029でアップロード
3Dモデルの動画
イノシシ顎骨分布
イノシシ顎骨出土状況
発掘調査報告書から引用、カラー化
2 イノシシ顎骨と狩猟道具との関係検討3Dモデル
イノシシ顎骨と狩猟道具との関係検討3Dモデルイノシシ顎骨件数(直径10㎝球で表現):65件
石鏃及び骨角歯牙製釣針・鏃・刺突具件数(直径5㎝球で表現):213件
いずれも発掘調査報告書記載で3D座標が揃ったもの
3DF Zephyr v8.029でアップロード
3Dモデルの動画
イノシシ顎骨と狩猟道具分布
3 イノシシ顎骨と狩猟道具との関係分析
2025.05.17千葉縄文研究会で荒木稔・西野雅人連名で「有吉北貝塚北斜面貝層における3D空間分析用データベースの構築と活用」を発表しました。この中で、「イノシシ顎骨と狩猟道具3点の接近出土」事例に着目しました。同様の事例が別にあるかどうか、イノシシ顎骨3D座標データと狩猟道具(石鏃、骨角歯牙製釣針・鏃・刺突具)3D座標データを突き合わせて、接近性を確かめるPythonスクリプトをつくり、走らせてみました。
具体的にはイノシシ顎骨の一つ一つのデータについて、そのデータから0.3m圏内、0.5m圏内にある狩猟道具データの数をカウントしました。次のような結果となりました。
●イノシシ顎骨65件のうち、0.3m圏内に狩猟道具が出土するもの3件(うち0.5m圏内にも狩猟道具が出土するもの2件)、0.5m圏内にはじめて狩猟道具が出土するもの3件
結局、全体の9.2%にあたる6件のイノシシ顎骨について、0.5m圏内に狩猟道具出土を伴うことが判りました。この数値から、イノシシ顎骨と狩猟道具がセットで出土する事例は稀であると考えることができます。上記ペーパーを書いた時点で見つけた事例は特別な事例で、セット性はイノシシ顎骨一般に敷衍できないことが判りました。



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