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2021年4月4日日曜日

加曽利EⅠ式期における浅鉢等一括

 埼玉編年のデータベース化による分析的学習 6

縄文土器学習 571

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)5群土器について学習しましたので、メモします。2021.04.04記事「加曽利EⅠ式期における勝坂式・中峠式系統土器」の後続です。

1 埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)の土器群構成


埼玉編年土器群分類と有吉北貝塚土器群分類の対応

2 5群土器11細分の理解

…………………

Ⅸ期・Ⅹ期 5群土器 分類メモ

1 浅鉢有文

【Ⅸa期A類(25)】

口縁部…キャリパー形土器と同じ文様

【Ⅸa期B類(26)】

口縁部…隆帯文様

勝坂式から連続

【Ⅸa期C類(27)】

口縁部…文様なし、隆帯による渦巻文

勝坂式から連続

【Ⅸb期A類(16)】

口縁部…隆帯連結区画文、撚糸文

「く」の字状外反、器高大きくなる

【Ⅸb期B類(17)】

口縁部…隆帯区画文

【Ⅹ期A類(19、20)】

口縁部「く」の字状屈曲、文様帯

器高高くなる

2 浅鉢無文

【Ⅸa期D類(28)】

無文

勝坂式から連続

【Ⅸb期C類(18)】

無文、胴上半部に丹を塗るもの多い

「く」の字状外反、器高大きくなる

【Ⅹ期B類(21、22)】

無文

3 器台等一括

【Ⅸb期D類(19)】

器台土器

【Ⅹ期C類(23~26)】

有孔鍔付土器、台付甕形土器、コップ形土器、器台形土器

Ⅹ期にC類の存在が顕著になる

…………………


埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)5群土器(浅鉢等一括)分類の理解

3 5群土器分類理解の3D資料化

5群土器分類の理解(カードの空間配置)を3D資料にして、3D空間でカード記述を読めるようにしました。

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)5群土器(浅鉢等一括)分類カードの3D展開 素材1

このモデルの趣旨:埼玉編年(1982)土器分類を理解学習するための3Dツール作成用素材


素材3Dモデルの動画

4 感想

・浅鉢も深鉢と同じく加曽利EⅠ式土器本隊であるキャリパー形と同じ口縁部文様帯をもつものと、勝坂式土器系統のものがあることを知りました。

・Ⅸb期になると浅鉢の器形が「く」の字状外反して器高が高くなる現象は興味を深める対象になります。浅鉢土器が食べ物をディスプレイする機能を持っていると考えるならば、食べ物の量とか質が向上し、それに合わせてディスプレイ容器もデザインされ、大きくなったと空想します。社会が豊かになったのです。

・浅鉢に有文のものと無文のものが並存することの意味に大いに興味が湧きます。後晩期耳飾に精巧で豪華な文様があるものと、簡素なものがあるのと類似の状況がすでに存在していたのではないかと空想します。社会のなかで簡素な祭器利用しか許されない家族(集団)と豪華な祭器を利用できる家族(集団)が並存していた。(?)

加曽利EⅠ式期における勝坂式・中峠式系統土器

 埼玉編年のデータベース化による分析的学習 5

縄文土器学習 570

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)4群土器について学習しましたので、メモします。2021.03.29記事「加曽利EⅠ式期における曽利式比定土器」の後続です。

1 埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)の土器群構成


埼玉編年土器群分類と有吉北貝塚土器群分類の対応

2 4群土器7細分の理解

…………………

Ⅸ期・Ⅹ期 4群土器 分類メモ

1 主文様帯の位置 口縁部

【Ⅸa期B類(21)】

口縁部文様帯…勝坂式文様、地文…縄文

勝坂式、西部分布

【Ⅸa期C類(22)】

口縁部文様帯…刻みのある隆帯、刺突文など

中峠式、東部分布

【Ⅸa期D類(23)】

口縁部文様帯…刻みのある隆帯と沈線、眼鏡状把手多い

中峠式、東部分布

【Ⅸa期E類(24)】

口縁部…蛇行する隆帯

中峠式、東部分布

【Ⅸb期B類(11)】

橋状把手4単位、口縁部文様帯…櫛状沈線文

極少数

2 主文様帯の位置 胴部

【Ⅸa期A類(20)】

円筒形、幅広な胴部文様帯…沈線化

勝坂式、西部分布

【Ⅸb期A類(12)】

胴部文様帯…勝坂式

極少数

…………………


埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)4群土器(勝坂式・中峠式系統)分類の理解

3 4群土器分類理解の3D資料化

4群土器分類の理解(カードの空間配置)を3D資料にして、3D空間でカード記述を読めるようにしました。

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)4群土器(勝坂式・中峠式系統)分類カードの3D展開 素材1

このモデルの趣旨:埼玉編年(1982)土器分類を理解学習するための3Dツール作成用素材


素材3Dモデルの動画

4 感想

・勝坂式土器の盛期はⅧ期までで、中峠式土器の時期はⅧ期ですが、Ⅸ期初頭(Ⅸa期)には両方の型式ともに残存してⅨb期には極少量になり衰滅したことがわかります。

・Ⅸa期、Ⅸb期には1群~4群の土器が存在していて、出土土器の器形や文様がきわめて多様性であることに改めて驚きます。Ⅹ期になると1群~3群土器の出土で1群土器の優勢が見られますが、それでも器形や文様の多様性が自分の想像以上に大きなものとなっています。

2021年3月29日月曜日

加曽利EⅠ式期における曽利式比定土器

 埼玉編年のデータベース化による分析的学習 4

縄文土器学習 565

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)3群土器について学習しましたので、メモします。

1 埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)の土器群構成


埼玉編年土器群分類と有吉北貝塚土器群分類の対応

2 3群土器11細分類の理解

…………………

Ⅸ期・Ⅹ期 3群土器 分類メモ

1 主文様帯の位置 口縁部

【Ⅸa期A類(15)】

口縁部文様帯

細隆線文

【Ⅸa期B類(16)】

口縁部文様帯

細隆線文による曲線文

【Ⅸb期A類(13)】

口縁部細隆線渦巻文

胴部にも渦巻文

【Ⅸb期C類(15)】

口縁部・頸部橋状把手4単位

胴部条線文

【Ⅹ期A類(15)】

口縁部重弧文

頸部格子目文

2 主文様帯の位置 胴部

【Ⅸa期C類(17)】

胴部縦位棒状隆帯

4単位眼鏡状突起

条線文

【Ⅸa期D類(18)】

胴部縦位棒状隆帯

口縁部外反、櫛状沈線文

【Ⅸa期E類(19)】

胴部沈線渦巻文

【Ⅸb期B類(14)】

頸部橋状把手

【Ⅹ期B類(16、17)】

口縁部無文

頸部細隆帯

胴部条線文

【Ⅹ期C類(18)】

口縁部無文外反

胴部沈線横走

…………………


埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)3群土器(曽利式比定土器)分類の理解

3 3群土器分類理解の3D資料化

3群土器分類の理解(カードの空間配置)を3D資料にして、3D空間でカード記述を読めるようにしました。

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)3群土器(曽利式土器比定)分類カードの3D展開 素材1

このモデルの趣旨:埼玉編年(1982)土器分類を理解学習するための3Dツール作成用素材


素材3Dモデルの動画

4 感想

ア 関東縄文人が中部高地縄文社会に興味を持つ

加曽利EⅠ式土器の時代に曽利式比定土器(3群土器)と曽利式影響下土器(2群土器)が主体であるキャリパー形土器(1群土器)と一緒に出土します。加曽利E式土器(1群土器)は斉一性の高い土器ですが、中部高地に中心をもつ曽利式土器の影響を受けていることは興味深いことです。関東縄文人が交易等で知る中部高地縄文社会に興味を持っていたことが判ります。

加曽利EⅠ式期には関東では沿岸部における漁業開発が進み、沿岸部だけでなく地域経済全体を潤す側面があり、豊かさが増大したと空想します。一方、その時期に中部高地が経済面でどうであったか知識がありません。関東と中部高地に経済的な格差があったのかどうか知りたいところです。しかし関東で曽利式比定土器や曽利式影響下土器が広範囲にかつ継続して非在地土器として出土する様子は、関東縄文人を引き付ける中部高地の魅力があったことは間違いないと考えます。中部高地に対する何らかの「あこがれ」が関東縄文人にあったと想像します。土偶やヒスイから連想できる精神文化かもしれません。

イ 曽利式比定土器の斉一性の低さ

曽利式比定土器の主文様帯は口縁部にあるものと、胴部にあるものの2種あります。この様子から曽利式土器は加曽利E式土器とくらべて斉一性が低いといえます。加曽利E式土器斉一性の高さ、曽利式土器斉一性の(相対的意味での)低さの理由について今後考えていくことにします。


2021年3月28日日曜日

加曽利EⅠ式期における曽利式土器・勝坂式土器影響下土器

 埼玉編年のデータベース化による分析的学習 3

縄文土器学習 564

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)2群土器について学習しましたので、メモします。

1 埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)の土器群構成

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)の土器群構成と有吉北貝塚土器群分類の対応をみると次のようになります。


埼玉編年土器群分類と有吉北貝塚土器群分類の対応

・埼玉編年土器群分類学習は有吉北貝塚土器群分類学習の一環として行っています。有吉北貝塚土器群分類が埼玉編年を使っているからです。

・埼玉編年1群土器の学習はすでに行いました。


埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)1群土器(キャリパー形土器)分類の理解

2 2群土器12細分類の理解

2群土器は12細分類されていますが、どの土器型式から影響を受けたか、主要文様帯は口縁部か胴部かという観点から再整理して理解しました。

…………………

Ⅸ期・Ⅹ期 2群土器 分類メモ

1 3群土器の影響を受けた土器

1-1 主要文様帯の位置 口縁部

1-1-1 隆帯による突起状渦巻文土器

【Ⅸa期B類(10)】

・3群土器B類の影響

1-1-2 沈線区画文土器

【Ⅸa期D類(12)】

・3群土器D類の影響

・西部

1-2 主要文様帯の位置 胴部

1-2-1 口縁部内曲、胴部文様土器

【Ⅸa期C類(11)】

・3群土器C類の影響

・撚糸文多い

・西部

1-2-2 細隆帯文様土器

【Ⅹ期B類(11)】

・3群土器の影響

1-2-3 隆帯渦巻文土器

【Ⅹ期C類(3)】

・3群土器の影響

2 4群土器の影響を受けた土器

2-1 主要文様帯の位置 口縁部

2-1-1 朝顔形で肥厚した口縁部文様帯土器

【Ⅸa期F類(14)】 ・Ⅸa期4群D類の影響

【Ⅸb期B類(10)】

【Ⅹ期D類(13、14)】 ・Ⅸb期B類の系統

・東部

2-2 主要文様帯の位置 胴部

2-2-1 口縁部外反胴部文様帯土器

主要文様帯…胴部

【Ⅸa期A類(9)】

【Ⅸb期A類(9)】

【Ⅹ期A類(10)】

・Ⅸa期 4群土器A類の影響

3 大木8a式の影響を受けた土器

3-1 主要文様帯の位置 文様希薄

3-1-1 口縁部外反胴部膨張撚糸文土器

【Ⅸa期E類(13)】

・口唇部は大木8a式の影響

・西部

…………………


埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)2群土器(曽利式・勝坂式影響下土器)分類の理解

3 2群土器分類の理解の3D資料化

2群土器分類の理解(カードの空間配置)を3D資料にして、3D空間でカード記述を読めるようにしました。

埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)2群土器分類カードの3D展開 素材1
このモデルの趣旨:埼玉編年(1982)土器分類を理解学習するための3Dツール作成用素材

現在は3Dモデル作成技術が虚弱なため、資料に整飾・注記を描き込むことが不十分であり、素材だけの3D配置になっています。


素材3Dモデルの動画

4 感想

1群土器は器形がキャリパー形土器で主文様帯は口縁部であり、斉一性が特徴です。一方2群土器は曽利式影響土器も勝坂式影響土器も器形、主文様帯の位置がバラバラです。そもそも曽利式土器、勝坂式土器ともに器形や主文様帯の斉一性は高くないようです。

この特徴から次の2点について今後の学習を深めたいと思います。

ア 加曽利EⅠ式土器で斉一性が高い理由

・広域の人々に影響を与える(おそらく広域の人々に「恩恵」を与える)新しく、注目するに値する「何か」(技術?制度?環境?)が生まれ、その「何か」に合わせて土器斉一性が生まれたと空想します。

イ 2群土器が継続する理由

斉一性の高い1群土器を作る人々が同時に2群土器も作っています。和食中心の生活の中で、時々中華や洋食も食べる生活と同じような状況があります。

土器文様に物語や神話が紐づけられていると考えると、縄文人は地域社会が共有するメインの物語・神話以外に、いわば異郷の物語・神話にもエキゾチックな興味をもっていたのかもしれません。