埼玉編年のデータベース化による分析的学習 6
縄文土器学習 571
埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)5群土器について学習しましたので、メモします。2021.04.04記事「加曽利EⅠ式期における勝坂式・中峠式系統土器」の後続です。
1 埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)の土器群構成
埼玉編年土器群分類と有吉北貝塚土器群分類の対応
2 5群土器11細分の理解
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Ⅸ期・Ⅹ期 5群土器 分類メモ
1 浅鉢有文
【Ⅸa期A類(25)】
口縁部…キャリパー形土器と同じ文様
【Ⅸa期B類(26)】
口縁部…隆帯文様
勝坂式から連続
【Ⅸa期C類(27)】
口縁部…文様なし、隆帯による渦巻文
勝坂式から連続
【Ⅸb期A類(16)】
口縁部…隆帯連結区画文、撚糸文
「く」の字状外反、器高大きくなる
【Ⅸb期B類(17)】
口縁部…隆帯区画文
【Ⅹ期A類(19、20)】
口縁部「く」の字状屈曲、文様帯
器高高くなる
2 浅鉢無文
【Ⅸa期D類(28)】
無文
勝坂式から連続
【Ⅸb期C類(18)】
無文、胴上半部に丹を塗るもの多い
「く」の字状外反、器高大きくなる
【Ⅹ期B類(21、22)】
無文
3 器台等一括
【Ⅸb期D類(19)】
器台土器
【Ⅹ期C類(23~26)】
有孔鍔付土器、台付甕形土器、コップ形土器、器台形土器
Ⅹ期にC類の存在が顕著になる
…………………
埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)5群土器(浅鉢等一括)分類の理解
3 5群土器分類理解の3D資料化
5群土器分類の理解(カードの空間配置)を3D資料にして、3D空間でカード記述を読めるようにしました。
埼玉編年(1982)Ⅸ期・Ⅹ期(加曽利EⅠ式)5群土器(浅鉢等一括)分類カードの3D展開 素材1
このモデルの趣旨:埼玉編年(1982)土器分類を理解学習するための3Dツール作成用素材
素材3Dモデルの動画
4 感想
・浅鉢も深鉢と同じく加曽利EⅠ式土器本隊であるキャリパー形と同じ口縁部文様帯をもつものと、勝坂式土器系統のものがあることを知りました。
・Ⅸb期になると浅鉢の器形が「く」の字状外反して器高が高くなる現象は興味を深める対象になります。浅鉢土器が食べ物をディスプレイする機能を持っていると考えるならば、食べ物の量とか質が向上し、それに合わせてディスプレイ容器もデザインされ、大きくなったと空想します。社会が豊かになったのです。
・浅鉢に有文のものと無文のものが並存することの意味に大いに興味が湧きます。後晩期耳飾に精巧で豪華な文様があるものと、簡素なものがあるのと類似の状況がすでに存在していたのではないかと空想します。社会のなかで簡素な祭器利用しか許されない家族(集団)と豪華な祭器を利用できる家族(集団)が並存していた。(?)
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