2018年8月16日木曜日

縄文後期イナウ似木製品の基本構造

縄文後期イナウ似木製品の観察と解釈例 3

1 木製品上と下の削りの様子
木製品上は平らで滑らか丁寧な削りとなっています。下は尖りかつ荒削りとなっています。
また上にある刻印の一つ(刻印1とします)が下にある枝基部と丸木を輪切りにしたとき180度の位置関係にありA面B面を分ける役割をしています。
さらに刻印1近くの枝が掃われていますので、下にある枝基部が意匠上意図して残されたことがわかります。

木製品上と下の削りの様子

2 意匠として1つの枝基部を残している様子
丸木から出っ張って存在する枝基部はその近くの枝が根本から掃われているので、意匠上の役割を持って残されたと考えることができます。この枝基部と刻印1が丸木を輪切りにしたとき180度の位置関係にあることから、この枝基部と刻印1はこの木製品の基本構造を作っていると考えます。

意匠として1つの枝基部を残している様子

3 木製品の基本構造
丸木端が平らで滑らかな方が上、尖って荒削りの方が下であり、そのような上下関係でこの木製品は使われたと考えます。
刻印1と枝基部が丸木をA面とB面に分けていて、A面とB面で異なる彫刻がなされています。

木製品の基本構造

次の記事で木製品彫刻や造形の跡の詳細を観察します。

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