「大膳野南貝塚学習の中間とりまとめ資料」を公開して一区切りついたのでそこで得た興味を近隣遺跡や広域に投影する活動を行っています。その活動により大膳野南貝塚学習で生れた興味や問題意識が的を得たものであるかどうかわかりますし、また最も本質的な興味である縄文集落の発展・衰退の要因分析に迫ることができます。
なにはともあれということで六通貝塚の分析を始めました。また基礎知識を習得するために遺跡データベースづくりとそれ収録するコンテンツ(説明事例)の電子化を始めました。
六通貝塚の学習に着手すると予期した通りのことがわかりそうだという幾つかの実感が生れる一方、木をみて森を見ずという視野狭窄的状況に陥る恐れも感じるようになりました。六通貝塚は極限られた範囲しか発掘されていないため情報が断片的であることや六通貝塚の活動縮小期と大膳野南貝塚の活動発展期が見事に重なっていて、同時期の直接比較が困難であることなどがこの感覚の背景にあります。
そこで学習視野狭窄に陥ることなく、より円満に興味を深めることができるように六通貝塚だけでなく近隣遺跡も一緒に検討することに投影学習を組み立てなおすことにしました。
2 投影学習の組み立て
次のように投影学習を組み立てます。
投影学習の組み立て
2-1 投影学習チェックリスト
自分の興味そのものを整理して常時意識できるようにしました。
投影学習チェックリスト
自分の個別具体の興味は全て縄文集落消長の要因分析に収れんさせるつもりです。
2-2 近隣遺跡の分析と投影
当面資料を手元に用意できた次の4遺跡を対象にその遺跡分析を投影学習のために行います。
図書館から借用した発掘調査報告書 有吉南貝塚 六通貝塚
図書館から借用した発掘調査報告書 小金沢貝塚 上赤塚遺跡
別の人がこれらの図書を予約しない限り、月に1回これらを持参して近隣図書館に出向けば継続して手元に置くことが出来ます。
2-3 村田川河口低地付近縄文集落の消長分析
有吉南貝塚発掘調査報告書などに村田川河口低地付近の詳しい遺跡一覧表と分布図が掲載されています。
詳しい遺跡一覧表 縄文集落を青色に塗色 有吉南貝塚発掘調査報告書掲載資料
遺跡分布図 縄文集落を青色に塗色 有吉南貝塚発掘調査報告書掲載資料
この資料をGISに取り込むとともに、個別遺跡分析情報をデータベースに蓄積して六通貝塚や大膳野南貝塚を含む縄文遺跡の関連・消長を分析検討することにします。この分析検討を行うことにより投影学習が視野狭窄に陥ることはないと思います。
2-4 千葉県縄文遺跡 既存情報の整理
千葉県縄文遺跡の既存情報を自分がより効率的に学習する(頭に入れる)ために、遺跡データベースをより使い勝手のよいものにするとともに、データベースに事例資料や「貝塚」情報を取り込みます。
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参考 投影学習チェックリスト
大膳野南貝塚学習で得た興味の
近隣・広域への投影学習
チェックリスト
近隣・広域への投影学習
チェックリスト
- 集落消長
- 集落消長の実態
- 集落消長と近隣集落との関係
- 集落消長の主な要因
- 漆喰貝層有無2集団が存在するか
- 竪穴住居に差異があるか
- 分布特性
- 時期別特性
- 面積
- 重複関係
- 出土物に差異があるか
- 出土物総量
- 中テン箱数
- 石器出土数
- 獣骨出土数
- 貝製品
- 装身具
- 出土物総量
- 廃屋墓・ヒト骨出土
- 遺構数
- 埋葬形式
- 環状焼土
- 竪穴住居に差異があるか
- 貝殻・獣骨・土器片出の状況
- 貝殻
- 完形貝・破砕貝・漆喰の割合
- 竪穴住居
- 土坑
- 貝層
- 完形貝・破砕貝・漆喰の割合
- 獣骨
- 頭部骨の割合
- 竪穴住居に埋納が見られるか
- 土器片
- 全て意図的に破壊されたものであるか
- 貝殻
- 埋葬の様相
- 人骨出土遺構
- 竪穴住居
- 土坑
- 埋甕
- 露地
- 集骨葬と非集骨葬
- 集骨葬
- 非集骨葬
- 正式埋葬とオマケ埋葬
- 正式埋葬
- オマケ埋葬
- 人骨出土遺構
- 狩猟方法
- 旧石器時代
- 狩場の地形イメージ
- 縄文時代早期頃
- 陥し穴と炉穴の分布
- 陥し穴分布
- 炉穴分布
- 陥し穴の工夫
- 誘導柵の設置
- 連続設置
- 陥し穴と炉穴の分布
- 前期集落・後期集落
- 犬の利用
- 狩猟対象獣種
- 旧石器時代
- 炉
- 屋内炉
- 漆喰炉
- 地床炉
- 土器囲炉
- 漏斗型断面炉
- 屋外炉
- 漆喰炉
- 土坑炉
- ピット付土坑炉
- 廃屋土坑炉
- 屋内炉
- 竪穴住居
- 床面傾斜
- 住居壁有無
- 住居壁有
- 住居壁無
- 張出部方向
- 床面傾斜との関係
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