2018年8月6日月曜日

六通貝塚の学習開始

7月で大膳野南貝塚学習の中間とりまとめを終えて、現在次の2本立ての活動を行っています。
ア 大膳野南貝塚学習で生まれた興味の他縄文遺跡への投影
イ 投影学習ツールとしての私家版暫定版GIS連動千葉県縄文遺跡データベースの構築
2018.07.26記事「興味の他縄文遺跡への投影」参照
データベース構築作業はある程度進みましたので、並行的に他遺跡学習もスタートさせました。
この記事では最初の対象である六通貝塚学習着手を記録しておきます。

1 六通貝塚の概要
六通貝塚発掘調査報告書(「千葉東南部ニュータウン37 -千葉市六通貝塚-」(平成19年3月、独立行政法人都市再生機構・財団法人千葉県教育振興財団))によれば六通貝塚は縄文時代後期から晩期に大型の貝塚を形成した集落が存在していて、大膳野南貝塚を含む周辺貝塚集落の拠点的役割を果たしていたことが想定されています。

六通貝塚発掘調査報告書(「千葉東南部ニュータウン37 -千葉市六通貝塚-」(平成19年3月、独立行政法人都市再生機構・財団法人千葉県教育振興財団))

発掘は貝塚本体は行っておらず、周辺の道路敷等に限られていて大膳野南貝塚のような遺跡全体の発掘とは状況が根本的に異なっています。

六通貝塚測量図 「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代) 211六通貝塚」(千葉県発行)から引用 回転 

2 六通貝塚の学習方針
貝塚本体の発掘が行われていないため、集落の本体は不明になります。そこで貝塚周辺の遺構(主に竪穴住居)の検討を貝塚や地形との関係を見ながら詳しく検討して、大膳野南貝塚で観察して興味を抱いた事項が確認できるか学習します。遺構情報をGISに展開して検討することにします。

3 遺構配置図のGISプロット
遺構配置図は平面直角座標系(9系)の座標が記載されているので、そのデータにより遺構配置図をGISにプロットすることができました。(※)

遺構配置図(全体図) 背景なし

遺構配置図(全体図) 背景は地理院地図

遺構配置図(全体図) 背景は2007年~空中写真

遺構配置図(全体図) 背景は1960年代地形図(千葉市都市図)

遺構配置図(全体図) 背景は1960年代空中写真
開発前の地形図や空中写真との関係をみながら発掘情報を学習する基盤をつくることができました。

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遺構配置図の座標は平面直角座標系(9系)で日本測地系で記載されているので世界測地系に変換してGISにプロットしました。なおX座標、Y座標ともに報告書記載に正60mの誤差がありました。その誤差の意味は不明です。

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