2018年8月28日火曜日

参考 村田川河口低地付近 旧石器時代遺跡

村田川河口低地付近縄文集落の消長分析 3

参考として村田川河口低地付近の旧石器時代遺跡分布を時期別にみてみました。

1 旧石器時代遺跡時期別分布

ナイフ初

ナイフ前

ナイフ後

末~草創期

時期による数の消長は顕著でナイフ前とナイフ後でその数が多くなります。しかし時期別に地形の利用の仕方に特徴を見出すことは出来ませんでした。

旧石器時代の狩は獲物を仕留める場所とその獲物を解体したり皮を干したりする場所が遠く離れていることはあり得ないと考えます。従って上記遺跡分布図(=旧石器出土場所)は獲物を仕留めた場所でもあり獲物を解体し、その皮を干したりしたキャンプの場所でもあったと考えます。おそらく台地平坦面を季節移動する動物を追って細尾根まできて、その地形(崖)を利用して獲物を仕留めたと考えます。細尾根が続く複雑な地形が旧石器時代人の絶好の狩場であり、キャンプの場所であったと考えます。この場所なら谷底には湧き水がありますから動物の解体には絶好の場所です。

縄文時代早期遺跡(=炉穴出土場所)も同じように、その付近がある時期(ある年)には陥し穴による狩猟の場であり、ある時期(ある年)にはキャンプの場であったと考えました。2018.08.26記事「村田川河口低地付近 遺跡と地形との関係」参照

参考 縄文時代早期遺跡の分布

2 千葉県旧石器時代遺跡分布
千葉県旧石器時代遺跡を正確に地図にプロットすると次図のようになります。

千葉県旧石器時代遺跡分布
広々とした台地面に遺跡は少なく、台地縁が開析されて細尾根になった場所に遺跡が密集しています。これは狩の様子を表現していて、台地縁の細尾根の急崖を利用して動物を仕留めていたからだと考えます。村田川河口低地付近の台地縁細尾根はまさに旧石器時代人が好んだ狩場であったのです。
なお、千葉県では台地からはなれた山間地では旧石器時代遺跡は極めて少なく、狩場ではなかったことは確実です。これは全国的に共通していて、広い台地が広がる平野以外の場所では旧石器時代遺跡は大変少なくなっています。


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