2018年8月15日水曜日

縄文後期イナウ似木製品写真の解像度

縄文後期イナウ似木製品の観察と解釈例 2

1 閲覧写真
千葉県教育委員会から許可を得て閲覧した写真(電子ファイルを入手した写真)は次の10枚です。

閲覧した木製品と出土状況写真

2 木製品写真の解像度
木製品写真はPhotoshopによる調整を経て次のような鮮明な写真として分析できるようになりました。

木製品の写真
この写真を拡大すると思いもかけないことでしたが、縄文人が道具をつかって作製したさまざまな跡を確認することができます。写真解像度の状況がとても素晴らしいものであることが確認できます。

木製品の写真解像度の状況
鋭利な石器でえぐられた状況(刻印された状況)だけでなく、穿孔した石器先端形状が同一であることまでわかります。また別の孔の存在も確認できます。当初想定した刻印と削り跡だけでなく、よりミクロな作製状況を観察できることが判りました。

3 発掘状況写真に木製品が写っていることが判明
木製品が出土したグリッド番号(4C09)の発掘状況写真を閲覧しましたが、この写真の中に木製品が写っていることを確認できました。

発掘状況写真に写っている丸木が木製品であることの確認
木製品の反り、枝やえぐれの一致から発掘状況写真に木製品が写っていることを確認できました。A面が上、B面が下で出土していることが判りました。上記2の写真でA面の表面は風化していて拡大すると少しけば立っていて、B面は表面が新鮮でありけば立ちがないため光っていることと対応します。縄文時代にこの木製品がこの場にA面を上に放置されたとき、一定期間A面が野ざらしになった状況を推察することができます。
発掘状況写真に木製品が写っていることが判ったので、写真撮影範囲と地図との対応関係から木製品出土場所を地図上でピンポイントで把握することもできました。

木製品出土位置の特定

参考 木製品出土グリッド付近

発掘状況写真から土器・焼骨・木片・土層と木製品との関係など、出土の状況が詳しく手に取るようにわかります。木製品がどのように利用され放置されたのか、出土状況写真から情報を得ることが出来ると確認できました。

つづく

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