Hiroyuki Shimazaki (2026): "The Mindset of People in the Katsusaka-style Period = ◎" (Journal of the Yamanashi Archaeological Association, No. 32)
I received an offprint of the paper "The Mindset of People in the Katsusaka-style Period = ◎" from Mr. Shimazaki. It was so fascinating that I found myself reading it over and over again. I was particularly intrigued by the discussion regarding "pseudo-human sacrifice." This prompted me to further develop my own thoughts on the subject, specifically in relation to the human skeletal remains with signs of trauma discovered at the Kamikuroiwa Rock Shelter site.
嶋崎さんから論文別刷「勝坂式期人の思考=◎」をいただきました。とてもおもしろく、何回も読み返してしまいました。論文中に疑似人身供儀に関する記述があり特に興味を持ちました。それに関連して上黒岩岩陰遺跡出土受傷人骨について思考を独自に深めました。
1 嶋崎弘之(2026):「勝坂式期人の思考=◎」(山梨県考古学協会誌、第32号)
嶋崎弘之(2026):「勝坂式期人の思考=◎」(山梨県考古学協会誌、第32号)
出産文土器検討ページ
母子土偶・壺抱き土偶検討ページ
2 目次
Ⅰ 研究の視点
Ⅱ ◎の使用
1 彫刻石棒
2 出産文土器
3 死産児の墓壙出土土器
4 人と動物
Ⅲ ◎(二重円)はなにか?
Ⅳ 勝坂式期人の判断基準
3 感想
この論文は意欲的でとても素晴らしい学術成果です。久しぶりにチャレンジ精神旺盛な学術成果を熱中して学習しました
◎の事例が豊富、網羅的でとても参考になりました。この論文の記述をキッカケに自分の頭の中で思考が渦巻きました。
● 疑似人身供儀に関する感想
疑似人身供儀の説明は感動しました。考古専門家からこのような説明が欲しかったのです。疑似人身供儀の説明がこの論文で感じた私の最大感想で、最大収穫です。
母子土偶、壺抱土偶、実際の動物供儀などが疑似人身供儀説の強い証拠になるように感じました。
同時に次のような関連感想も生まれました。
・疑似人身供儀はどこから伝来したか。(農耕社会の大陸から伝わってきた?)
・本当の人身供儀が無いといえるか。(人身供儀があったかもしれないという視点があれば、その証拠がみつかるかもしれない。)
4 論文感想をキッカケに自分自身に生まれた独自思考
嶋崎さんが、私の興味に歩調を合わせてくれて、本当の人身供儀に関連するかもしれない次の事例を紹介してもらいました。
上黒岩岩陰遺跡出土受傷人骨
加曾利南貝塚出土頭蓋骨(大きな丸い穴があいた人骨)
子和清水遺跡出土人骨(頭骨なし)
このうち上黒岩岩陰遺跡出土受傷人骨は次の記事で検討を深めたことがありますので、自分自身の独自思考が深まりました。
2020年5月2日土曜日 上黒岩岩陰遺跡出土受傷人骨と身二つ
資料や文献を読み直したわけではありませんが、次のメモが生まれました。
2020年の時は、死亡妊婦女性の「身二つ」として解釈しました。
しかし、人身供儀かもしれないという思考に触れると、「死亡妊婦」という大前提がまったく根拠のない仮定であることに気が付きました。「殺された妊婦」かもしれないという思考は関係専門家の間で完全にゼロだと考えます。現代人として「妊婦を殺す」原始人を想定することは本能的にできません。しかし、人身供儀ということを研究対象にするならば、「妊婦を殺し、手厚く妊婦と胎児を埋葬し、消滅寸前集団の完全崩壊を防ぐ」という可能性を最初からゼロにはできないと気が付きました。
集団でもっとも大切な宝である妊婦(女と子ども)を犠牲として神に捧げる事例があるのか、ChatGPTで調べると次のような回答がありました。
縄文学習としてこのような恐ろしい思考をすることは苦痛ですが、避けることはできません。
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質問
世界の人身供儀の例で妊婦を犠牲にする例があるか調べてください。
ChatGPT回答
世界の人身供儀(人身御供)の歴史において、妊婦を明確な対象として犠牲(生贄)にした、あるいはその可能性が極めて高いとされる例は実際に存在します。
人身供儀の対象は、一般的には「若い未婚の女性(処女)」や「子供」「戦争捕虜」などが選ばれることが多いですが、特定の儀礼や重大な危機に際して、「生命の誕生・多産」の象徴、あるいは「強力な霊力を持つ存在」として妊婦が選ばれたケースが考古学的発見や歴史文書から報告されています。
具体的な主要例は以下の通りです。
1. エクアドル:マンテーニョ文化の遺跡(2025年発表の発見)
近年の考古学的な大発見として、南米エクアドルの沿岸部にあるウアンサキト・ラス・リャマス(Buen Suceso遺跡)で、約1200年前(西暦771〜953年頃)の妊婦の生贄の遺骨が発見されました。 [1] (https://www.facebook.com/CBSNews/posts/a-pregnant-woman-believed-to-have-lived-over-a-thousand-years-ago-in-ecuadors-co/1017173443607833/), [2] (https://www.jpost.com/archaeology/archaeology-around-the-world/article-839559)
• 概要: 発見されたのは17〜20歳前後で、妊娠7〜9ヶ月(臨月期)の女性の遺骨です。 [1] (https://www.jpost.com/archaeology/archaeology-around-the-world/article-839559), [2] (https://www.facebook.com/CBSNews/posts/a-pregnant-woman-believed-to-have-lived-over-a-thousand-years-ago-in-ecuadors-co/1017173443607833/)
• 生贄とされる根拠: 頭蓋骨の骨折(鈍器による殴打)や、死の直前・直後に手や左脚が切断されるといった激しい人為的損壊の痕跡が見つかっています。 [1] (https://www.cbsnews.com/news/pregnant-ecuador-woman-ritual-sacrifice-burial-archeologists/), [2] (https://www.jpost.com/archaeology/archaeology-around-the-world/article-839559), [3] (https://www.facebook.com/CBSNews/posts/a-pregnant-woman-believed-to-have-lived-over-a-thousand-years-ago-in-ecuadors-co/1017173443607833/)
• 儀礼の意味: 当時は激しい「エルニーニョ現象」による大干ばつや飢饉に見舞われていた時期と一致しており、農耕の不作や天災を鎮めるため、肥沃さ(豊穣)の象徴である妊婦を神への最高級の供物として捧げたという説が有力視されています。また、コミュニティ内で非常に強い力や社会的地位を持っていた女性であり、その霊的な力を管理・鎮めるための儀礼だったという説もあります。 [1] (https://archaeologymag.com/2025/02/remains-of-dismembered-pregnant-woman-in-ecuador/), [2] (https://colombiaone.com/2025/01/27/pregnant-woman-sacrifice-ecuador/), [3] (https://www.facebook.com/CBSNews/posts/a-pregnant-woman-believed-to-have-lived-over-a-thousand-years-ago-in-ecuadors-co/1017173443607833/)
2. タイ:アユタヤ王朝期の「人柱」(17世紀の記録)
オランダ東インド会社の商館長であったジェレミアス・ファン・ヴリートが1634年に記した記録に、当時のシャム(現在のタイ)の首都アユタヤにおける城壁や砦の建設に伴う人柱の記述があります。 [1] (https://en.wikipedia.org/wiki/Timeline_of_human_sacrifices)
• 概要: 王宮や新たな要塞の門を建設する際、「4人の妊婦」が生け捕りにされ、城門の基礎(支柱の下)に生き埋めにされたと記述されています。
• 儀礼の意味: 東南アジアの古い信仰では、妊婦、特に妊娠後期の女性が非業の死を遂げると、非常に強力で獰猛な精霊(ピー)になると恐れられていました。あえて都市の防衛拠点の人柱にすることで、「強力な守護霊(祟り神)」として都市を敵や悪霊から守らせるという政治的・呪術的な目的があったと考えられています。 [1] (https://en.wikipedia.org/wiki/Timeline_of_human_sacrifices)
3. アフリカ:近世のいくつかの王国
西アフリカのダホメ王国や、アシャンティ王国などの近世の儀礼を記録したヨーロッパ人の探検記や伝教使の記録には、王が死亡した際の世界の転移(殉葬)や、国家の重大な危機の際に様々な身分の人々が犠牲にされたことが記されています。その中には、国家の「再生産」や「神聖な血の更新」を求めて妊婦が対象に含まれるケースが稀に言及されることがありました。
なぜ妊婦が犠牲にされたのか?(文化人類学的な解釈)
文化人類学や宗教学において、妊婦が人身供儀に選ばれるのには大きく2つの逆説的な意味合いがあります。
1. 「豊穣と多産」の究極の象徴(ポジティブな力の奉納)
農作物の大凶作や干ばつなど、大地が生命力を失ったとき、「胎内に新しい命を宿した存在」を大地や水神に還すことで、世界の生命力をリセットし、再び豊かな実りをもたらすよう神に請うという呪術的思考です(エクアドルの例など)。 [1] (https://www.facebook.com/CBSNews/posts/a-pregnant-woman-believed-to-have-lived-over-a-thousand-years-ago-in-ecuadors-co/1017173443607833/)
2. 「境界線上の存在」が持つ強い霊力(防衛的な力)
妊婦は「生と死の境界(あの世からこの世へ命を呼び寄せる状態)」にいる存在とみなされました。その状態で命を奪うことで、通常の人間よりも遥かに強大なパワーを持つ怨霊・守護霊に転じさせ、都市や国家の防衛に利用するという意図です(タイの人柱の例など)。
一般的には禁忌(タブー)とされやすい妊婦の殺害ですが、コミュニティが滅びかねないほどの「異常事態」や「国家規模の建築」においては、その最大の禁忌を破り、最も強い生命力を捧げることで危機を乗り越えようとした歴史の側面が存在します。
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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)
ブログにラベル機能をつけましたが、自分の想定以上に役立っています。この10日間ほどファブリック分析から離れ、ファブリック分析をどのように進めてきたかという感覚が薄らぎ、ファブリック分析の面白さもおぼろげになってしまいましたが、ラベル「ファブリック分析」でファブリック分析関連記事だけを連続して読むことができ、いつもより速く検討最前線に入ることができました。以前はとても苦労した前線復帰が今回は楽でした。ラベルの種類を順次増やして行くことにします。現在のラベルはイボキサゴ、ファブリック分析、考古学切手、観察記録3Dモデルの4つです。



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