2013年11月28日木曜日

4つの真性レーキから判ること

花見川流域の小崖地形 その65 (5mメッシュDEM図を読む 4)

5つ発見した真性レーキのうち、4つの真性レーキについて検討します。

次の図は4つの真性レーキ付近の地形段彩図です。

地形段彩図
谷津の分布をわかりやすくするための段彩区分であり、色使いに特別の意味(高低を景色風に見せるなど)を持たせた段彩図ではありません。

この地形段彩図に4つの真性レーキの水系パターンを書き込むと次のようになります。

4つの真性レーキの水系パターン

4つの真性レーキを形成した地殻変動の軸線とその変動の形式を書き込むと次のようになります。

4つの真性レーキの軸線と地殻変動形式

勝田高津レーキは活向斜軸が存在していて、それにより真性レーキが形成されたものと考えます。

柏井レーキは活断層(柏井断層)により形成されたものと考えます。
柏井レーキは花見川河川争奪[河道逆行争奪]により、真性レーキ形成後東京湾水系に組み込まれたという特異な地史をもつ真性レーキです。

和良比レーキと吉岡レーキは地溝に起因して形成された真性レーキであると考えます。
地溝に関する検討は別途の記事で行う予定です。

4つの真性レーキの軸線の方向はそれぞれ異なっていることが判ります。

特に勝田高津レーキと柏井レーキの軸線が異なることは地形段彩図から明白です。
この差異は、地殻変動の形式・規模・時代の違いを表現しているものと考えます。
この差異に関する情報から地史に関する貴重な情報が得られそうです。

以下の打消し文記述は廃棄します。2013.11.30記事「続 4つの真性レーキから判ること(訂正と各部名称)」参照

次に平行河川と軸線との関係について、一つの仮説を考えてみました。

軸線に直角に交わる線分を平行河川付近に書き込んでみました。

平行河川付近に軸線直交線分を書き込んだ図

私は、平行河川が軸線直交線分であると、仮説しました。

この仮説を次の図で説明しました。

A線B軸直交仮説

B軸形成の地殻変動がその南西~南南西の位置にある土地の最大傾斜方向を決めているという仮説です。
つまり、B軸形成の地殻変動が下総上位面(下末吉面)の離水そのものに関わっているという仮説です。
平行河川は離水直後に形成された原始谷津起源であると考えているから、このように仮説します。

勝田高津レーキの両端の水系が活向斜軸に直角になっていないのは、活向斜軸の両端部でその運動が弱体化していることを(活向斜軸が終焉していることを)表現しているものと考えます。

柏井レーキは勝田高津レーキの入れ子になっていますが、その入れ子セット自体も次の記事で述べる印旛レーキの中の入れ子になっています。
つまり、3次元の真性レーキの入れ子があります。真性レーキの入れ子現象から何が判るか、次の記事で検討します。

つづく

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