2013年11月16日土曜日

柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量計測

花見川流域の小崖地形 その57

1 縦ずれ量の計測
2013.11.14記事「柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量計測の考え方の変更」に書いた次の計測方法により、柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量を計測してみました。

変更(訂正)した縦ずれ量計測方法

計測場所は柏井小崖C地区(2013.10.25記事「柏井小崖(柏井断層)の縦ずれ量」参照です。

地形断面位置図
基図は地形段彩図と旧版1万分の1地形図のオーバーレイ図

米軍空中写真を実体視して、芦太川と高津川の谷頭侵蝕が認められる場所の断面を除き、4、5、6、7の合計4箇所の断面について計測しました。

横断図による縦ずれ量の計測 1

横断図による縦ずれ量の計測 2

結果は地形の縦ずれ量が平均約2.8mになりました。

2013.10.25記事時点における考えによる計測では平均約1.1mでしたから、結果の違いには大きなものがあります。

2 寄り道の収穫と今後の取り組み 
ようやく1025日の時点まで戻り、小崖(断層)の検討の再出発をすることができるようになりました。小崖(断層)の地区別詳細記述という面でいうと、約3週間寄り道していたことになります。

しかしこの寄り道で図らずも行った学習等により、小崖(断層)が台地面形状をつくった主因という考えから脱皮することができました。

台地面形状は褶曲変位地形として捉えるべきであり、それはプレートテクトニクスと密接に結びついていることを知りました。

小崖(断層)も褶曲変位地形の1構成要素として捉えるべきであることを知りました。

寄り道の収穫大です。

同時に、関東地方を大局的に見た時の1つの活背斜軸という捉え方ではなく、その構成要素としてのより下位次元の活背斜軸・活向斜軸・活断層群という分析的観察がこれまで行われていないようだということもわかりました。
分析的観察をすれば何らかの新知見を得られると思いますから、興味が湧きます。

また、1つの活背斜軸(下総台地西部隆起帯)という認識は観察しやすい縦ずれに基づいた認識であり、このブログで明らかにしてきた150m180mに及ぶ横ずれについてはこれまで専門家により着目されたことが無いこともわかりました。
この面でも観察範囲を拡大して行えば、新知見それも意義の大きな新知見が得られる予感がします。

しばらく、柏井小崖(柏井断層)C地区に留まって、その周辺を対象にして細部の観察を行い、あれこれ考えられる限りの検討事項を検討してみて、今後のより体系的観察を行うための糧を得てみたいと思います。


(このブログは開設当初から、検討成果を発表する場ではなく、思考の実況中継の場として運営しています。)

0 件のコメント:

コメントを投稿