花見川流域の小崖地形 その75 (5mメッシュDEM図を読む 14)
1 シリーズ「花見川流域の小崖地形」のふりかえり
シリーズ「花見川流域の小崖地形」の記事連載の経緯は次のように変転してきています。時間が経つと自分でも興味の変遷がぼやけてしまいますので、メモしておきます。
●2013.04.12記事「花見川流域小崖地形の自然史上の重要性とその調査について」が最初の記事で、小崖地形が花見川流域の地形を理解するうえで重要であり、興味を持ったことを述べています。この記事が出発点です。
この記事以降、3つの小崖地形(花島小崖、柏井小崖、犢橋小崖)について検討区域を各6箇所設定して、順次詳細な観察と検討を重ね記事にしてきました。
●花島小崖の検討を終え、柏井小崖の検討に入ったところで自分の考え方に違和感を感じました。
そして、この付近の台地地形を理解するためには二つの隆起軸を考える必要があるし、そもそも台地地形を褶曲変位地形として捉える必要があることに理解が進みました。2つのプレート運動との関係にも興味を持ちました。
●この付近の台地地形を褶曲変位地形として捉えることになると、これまで見えなかったことがらが次々に見えるようになり、思考と興味の視界が一挙にひろがりました。
そうした中で、5mメッシュ(標高)の広域利用を開始し、有力な検討ツールを得たので、思考と興味の深まる度合いがいっそう加速されるようになりました。
●褶曲変位地形という新観点と5mメッシュの広域利用という新ツールを得て、花見川流域の地形の姿を捉えるためには、単に流域の検討をするのではなく、千葉県北部一帯に視野を拡げ、褶曲変位地形の概要をよく理解し、その上で花見川に戻ることが大切であると考えました。
花見川流域にだけ視野を極限していては、花見川流域の本質は判らないと感じるようになったのです。
●そうした考えに基づき、一旦花見川流域の小崖の地区別検討から離れ、千葉県北部に見られる次のような各種褶曲変位地形について興味を持ち、その概要の検討を始めました。
・レーキ状水系パターン
・ミニ地溝のような地形
・弧状の小崖地形
・オタマジャクシ状の台地凹地
・下総台地東部隆起帯における東北東方向を示す特徴的水系パターン
・下総台地西部隆起帯と下総台地東部隆起帯の合部付近の地形
・下総下位面の分布
手始めに、レーキ状水系パターンについて検討を始め、現在(2013.12.14)に至っています。
このブログは検討成果を発表している場ではなく、私の趣味の検討(思考)を実況中継している場です。
シリーズ途中で新ツールを得たことをきっかけにして、シリーズシナリオが大幅に変化してしまいましたが、そこらへんで私の思考が大きく変化したということです。
2 シリーズ「花見川流域の小崖地形」の今後
5mメッシュ(標高)を使った広域地形段彩図がきわめて強力な検討ツールになっています。このツールを有効活用して、千葉県北部一帯の台地の褶曲変位地形の諸相について理解を深めていきます。
自分なりに千葉県北部の褶曲変位地形の全貌(概要)を理解したと確信できるところまで、検討を深めたいと思います。
検討はじっくり行い楽しみたいのですが、後が待っているので(※)、できるだけ効率的かつ急いで行い、あくまで褶曲変位地形の概要を知るところに絞りたいと思います。
検討の最後に再び、花見川流域に戻り、小崖地形について検討したいと思います。
その頃は、小崖地形の意義についての理解は現在より格段に進んでいると思います。
※ 褶曲変位地形検討の次に、あるいは我慢できないで同時並行的に、5mメッシュ(標高)を広域利用して、次のような検討をしたいと考えています。
●過去の香取の海と東京湾の分布復元とそれを使った歴史の検討
・古代官道の変遷
・古代における香取の海と東京湾の交流 等々
●戸地名と地形との関係
等々
3 シリーズ記事掲載サイトの紹介
このシリーズ記事だけを収録して、リストから閲覧できる特設サイトを開設しています。
特設サイト「花見川流域の小崖地形」
興味のある方はご利用ください。
………………………………………………
勘違いされた画像
次の画像は和良比レーキ付近の地形段彩図です。
この図の配色が、恐らくクリスマスの配色イメージの一つのパターンに似ていて、Google+の多分人ではなく機械(ソフト)が、親切にも(?)かってに雪を降らせてくれました。
………………………………………………
0 件のコメント:
コメントを投稿