花見川流域の小崖地形 その71 (5mメッシュDEM図を読む 10)
1 和良比レーキと吉岡レーキの地形断面図作成
和良比レーキと吉岡レーキについて地形断面図を作成しました。
地形断面図位置図
AB地形断面図
CD地形断面図
EF地形断面図
2 褶曲変位地形断面の復元
断面図と地形段彩図の情報および現場での観察から、河川浸食作用の影響を除去した上で、褶曲変位地形断面を復元しました。
AB断面の復元褶曲変位地形断面図
CD断面の復元褶曲変位地形断面図
EF断面の復元褶曲変位地形断面図
3断面ともに付近一帯が南側、北側に対して隆起し、その中に地溝形状が発達するという、特徴的な褶曲変位をしています。
原面の最大傾斜方向にほぼ直角に地溝の形状が分布しています。これが真性レーキ形成の主因となっています。
CD断面では比高6mの地溝形状が見られ、河川浸食の影響をほとんど受けていないことと、農業的土地利用が行われ人工改変の程度が軽微であることから、下総上位面の褶曲変位地形の貴重な資料であると言えます。学術的調査が行われれば、一種の天然記念物的価値が生まれるものと考えます。
褶曲変位の垂直成分の量は断面図の範囲全体で、AB断面で6m、CD断面、EF断面で9m程度となっています。
3つの復元断面図から、地溝形状に関わる範囲を抽出すると次のようになります。
和良比レーキと吉岡レーキの地溝形状分布
つづく
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