花見川流域の小崖地形 その84 (5mメッシュDEM図を読む 23)
3 横断図の考察
3-2 断面図6
●下総下位面ウ面の形状が神崎川を挟んで南岸と北岸で異なります。
下総下位面は神崎川南岸ではほぼ平坦ですが、北岸ではやや傾斜していて、南岸より標高が1mほど高くなっています。
下総下位面はある時代(専門書によれば5cステージ、O(M1)面、約10万年前)の谷底平野であると考えられますが、この形状の差異は次の二つの理由のどちらかであると考えます。
1 本来平坦であった地形面が地殻運動の結果で南岸と北岸で形状の変化が生まれた。
2 南岸に流路があり、北岸は既に陸化していたという当時の地形が反映している。
私は、今の直感では、2がその理由であると考えています。
●下総上位面と下総下位面の境の状況が南岸と北岸で異なります。
下総上位面と下総下位面の境の状況は南岸では比高4m程の段丘崖となっています。北岸では比高の差はほとんどありません。千葉ニュータウンの造成によって地形の人工改変がありますが、地形段彩図からこの付近で、下総上位面と下総上位面の比高の差がほとんど無いことが判ります。
南岸の比高4mほどの段丘崖は一般的に見られるものです。下総下位面を流れていた河川の浸食作用で出来たものだと思います。
北岸で段丘崖が存在しない理由は、北からの浸食が激しく、下総上位面が本来の標高を保持できていないのだと想像します。
断面図6の考察
参考 地形段彩図のGoogle earth表示
断面図6付近(船橋市小室付近)の地形段彩図のGoogle earth表示
断面図6付近(船橋市小室付近)の地形段彩図のGoogle earth表示
地形段彩図(半透明)と空中写真のオーバーレイ表示
断面図6付近(船橋市小室付近)のGoogle earth表示
参考 断面図6付近(船橋市小室付近)の標準地図のGoogle earth表示
標準地図は電子国土ポータルによる
未知の地形
さて、ここまで作業してきて、次の未知の地形を見つけ出しました。
杉原(1970)では下総上位面とされている場所に、下総上位面を削る明瞭な段丘地形が存在します。
この未知の段丘地形は、二重川の谷津では河岸段丘として発達します。
次の記事で、この未知の河岸段丘地形について検討してみます。
未知の段丘地形
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