2014年1月30日木曜日

角崎大曲地形の検討メモ 中編

角崎大曲地形の検討メモ 中編

花見川流域の小崖地形 その109

カシミール3Dを使って角崎大曲地形付近の地形3D画像をいろいろな空中視点から作成して、地形を観察してみました。

角崎大曲地形の3D画像 1

角崎大曲地形の3D画像 2

角崎大曲地形の3D画像 3

角崎大曲地形の3D画像 4

これらの画像を見て気がついたこと(感じたこと)が2点あります。

1 角崎大曲地形と高崎川の谷津、南部川の谷津との構造的関連
角崎大曲地形と高崎川谷津、南部川谷津は直接接しています。一体の地形として理解することが自然であると感じます。

もともと、高崎川谷津と南部川谷津はレーキ状水系(構造的水系)として着目したのですが、擬似レーキと判断して、検討から外した経緯があります。(2013.11.27記事「真性レーキと擬似レーキ」参照)

その時は角崎大曲地形に気がついていなかったのですが、角崎大曲地形を認識した思考の下で、地形3D画像を見ると、角崎大曲地形と高崎川谷津、南部川谷津が同根の構造的運動の下で造られた地形であると強く感じられます。

角崎大曲地形と高崎川谷津、南部川谷津

2 角崎大曲地形付近を横切る下総下位面分布と活撓曲との関連
次の図は千葉県北部の活構造図です。

活構造図
地質図Naviによる

この図にこのブログで検討している変動地形をオーバーレイすると次のようになります。

変動地形分布と活構造図

この図に示される位置関係を意識した上で、角崎大曲地形付近の下総下位面の分布を見ると、下総下位面の分布が活撓曲を表現している地形であると感じることが出来ます。

もっと言えば、この付近の下総下位面は活撓曲の運動によってつくられたと考えることが合理的だと言えます。

下総下位面の分布

印旛沼筋付近の下総下位面が手賀沼付近から栄町付近まで帯状にぐるりと廻るように分布していることが以前から着目され、中には古利根川の旧流路に違いないという珍説まで生まれたのですが(2014.01.08記事「印旛沼筋は古利根川の旧河道ではない」等参照)、ぐるりと廻る印旛沼筋の構造的意味の基本がこれでわかったことになると思います。

つまり、印旛沼筋の河道は柏と佐倉を結ぶ活向斜及び四街道から成田へ抜ける活撓曲の2つの構造的運動によって形成された沈下部が連結して形成されたということです。

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