2015年6月17日水曜日

遺跡文献閲覧から得る情報のパターン化とその活用

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.150 遺跡文献閲覧から得る情報のパターン化とその活用

このブログでは2015.01.18記事「遺跡文献の悉皆閲覧計画」で報告した計画にもとづいて、古代遺跡発掘調査報告書を閲覧して東海道水運支路(仮説)を補強できる材料を探しています。

検討対象遺跡は次の範囲をイメージしています。

遺跡文献閲覧範囲のイメージ
■は報告書有り、▲は報告書無し

これまで花見川流域の文献閲覧がだいたい終わり、現在は平戸川(新川)流域の萱田地区の文献を閲覧しています。

これまでの遺跡文献閲覧では、私にとって珍しく興味深い情報が多く、「何でも見てやろう」ということで、手当たり次第に情報を咀嚼してきました。門外漢素人にとっては大変よい学習になっています。

ここまでの検討で東海道水運支路仮説に関して、次のような感触を持ってきています。

1 東海道水運支路仮説のメインの検討時期は奈良時代であると考えるようになってきています。
船越陸路がつくられ、活用されたのは奈良時代のようであるという印象を持っています。

2 東海道水運支路は蝦夷戦争のために東京湾と香取の海を結ぶ軍事輸送路として建設されたと考えるようになってきています。
東海道水運支路が建設されたので、それに沿って(花見川・平戸川に沿って)蝦夷戦争のための軍事兵站基地・輸送基地、馬牧・牛牧等が建設されたと考えます。
さらに軍事兵站基地・輸送基地、馬牧・牛牧等を支えるための地域開発(農業開発等)が行われたと考えます。

参考 古代遺跡密度図(ヒートマップ)と古代想定地物

このような感触を踏まえて、今後の遺跡文献閲覧活動(=情報収集活動)を次のようにパターン化し効率化したいと考え、メモしておきます。

1 遺跡文献は「奈良時代・平安時代」の情報に限定して閲覧(情報収集)します。

2 閲覧では主に次の情報を収集します。(パターン化することにより効率化します。)
・遺跡内ゾーン区分
・ゾーン別建物情報(竪穴住居数、掘立柱建物数)
・銙帯出土情報
・墨書土器出土ゾーン情報(墨書土器情報そのものは千葉県墨書土器データベースから入手します)
・ハマグリ出土情報
・寺院遺構や仏器等出土情報
・鍛冶遺構出土情報
・鉄製品出土状況(武器・道具等)
・その他特記すべき出土物

3 上記情報を指標として遺跡(ゾーン)の評価を行い、東海道水運支路仮説の確からしさを高める情報を得ます。
花見川-平戸川の交通を示唆する情報
直接情報例 ハマグリ出土
間接情報例 馬牧・牛牧の存在、軍事基地の存在(軍事兵站機能の存在)、交通運輸施設の存在

4 墨書土器、銙帯、寺院、鍛冶遺構等の情報は広域検討も合せて行うこととします。

高津・萱田・村上地区の遺跡文献閲覧の後は八千代市の上谷遺跡、栗谷遺跡、境堀遺跡、間見穴遺跡、印西市の鳴神山遺跡、船穂白幡遺跡などの文献閲覧に取り組みます。

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