2018年7月23日月曜日

背景学習

大膳野南貝塚学習中間とりまとめ 10 背景学習

大膳野南貝塚学習中間とりまとめを次の10項目に分けて行っています。
1 漆喰貝層有無2集団の関係
2 諸磯・浮島2集団の関係
3 集落消長の理由
4 貝塚・集落の構造
5 貝殻・獣骨・土器片出土の意義
6 埋葬の様相
7 竪穴住居祭壇の様相
8 狩猟方法イメージ
9 個別テーマ
10 背景学習

この記事では「10 背景学習」の説明素材を集めて、まとめペーパーの材料を作りましたので掲載します。中間とりまとめを完結することができました。

1 大膳野南貝塚学習の背景として行った学習
「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」(千葉県発行)に掲載されている「貝塚」(第Ⅱ部第2章第2節縄文時代1遺跡・遺構(1)貝塚[執筆西野雅人])を2回にわたって学習しました。貝塚をめぐる千葉県縄文時代歴史がとても詳しく分る論文です。「貝塚」はこれからも折に触れて学習していく私の座右のテキストです。

「貝塚」全ページ

「千葉県の歴史 資料編 考古4(遺跡・遺構・遺物)」(千葉県発行)の他の章も参考に読みましたが、今後より体系的に学習していく予定です。また「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)は遺跡事例が多数掲載されているので、今後体系的に学習して縄文時代遺跡の時間的・空間的変遷の理解を深めたいと考えます。

2 学習技術について
2-1 GIS活用
学習では大膳野南貝塚発掘調査報告書の情報をほとんど電子化してExcelに取り込み、それをGISに展開して空間的分析を深めることが出来ました。

GIS画面
GISアプリは当初「地図太郎PLUS」を使っていましたが、途中で分析能力が優れている「QGIS」に変更しました。

2-2 データベース
発掘調査報告書のデータのうち土坑データだけは個別土坑毎に情報がまとまっていないため(記述、平面断面図、土層説明、出土物…毎に情報が整理されているため)、必要に迫られてデータベースを作成しました。データベースアプリはFile Makerをつかいました。

後期集落土坑データベース画面
データベースをつくってみるとその使い勝手がきわめてよく、特に検索や並べ替えがExcelと比べて大変効率的であり、土坑に関する自分の学習(認識、アイディア)が急進展しました。
またデータベースは単に発掘調査報告書のデータを効率的に閲覧するだけでなく、検討結果やメモを書き込み、それらの検索もまたできますから学習が加速します。

なお、発掘調査報告書では竪穴住居は住居毎にデータが整理されているので、住居毎のpdfファイルを作成してエクスプローラで利用しました。

竪穴住居情報の閲覧方法
本として綴じられている情報の閲覧より、このエクスプローラを利用する方法の方がはるかに効率的に必要な情報に到達できます。
しかし、土坑データベースを作ったあとはそれと比べるととても非効率的な方法であると実感してしまいました。学習も末期になり竪穴住居データベースの作成は出来ませんでしたが、大膳野南貝塚の学習を今後深める時には竪穴住居データベースを作ることにします。また縄文時代に限らず奈良平安時代遺跡の学習などでも、新たな遺跡に取り組むときはまず最初に竪穴住居データベースを作成するところから始めるつもりです。
竪穴住居データベースに掲載する情報は発掘調査報告書掲載情報だけでも、最低限つぎのような情報になります。

竪穴住居データベースに最低限掲載すべき情報

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次の資料を公開しました。(2018.07.24)

pdf資料「背景学習 要旨

pdf資料「背景学習

上記資料を含めて私の作成した主な資料・パワポはサイト「考古と風景を楽しむ」にも掲載しています。

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