2018年7月9日月曜日

大膳野南貝塚 狩猟対象獣種

大膳野南貝塚住人の狩猟対象獣種を確認しました。

主要住居祉の推計最小個体数 大膳野南貝塚発掘調査報告書から引用
この表を時期別に集計してグラフにすると次のようになります。

主要住居祉の推計最小個体数
前期集落も後期集落の狩猟対象獣種のトップはイノシシで次いでその6割程度の量としてシカが続きます。時期別に大きな変動はないようです。
イノシシが最もポピュラーな狩猟対象獣種であった理由としてシカとくらべて人家の近くにも出没する習性があることと、同じくシカとくらべて犬をつかった狩猟がしやすかったことがあるのではないかと想像します。
なお、発掘調査報告書では後期集落で幼少獣が飼育されていた可能性について言及しています。
上記は獣骨が沢山出土した主要住居のデータですが、それにしても前期集落(諸磯b)と後期集落ピーク時(堀之内1)のトータル推計最小個体数がほぼ同じになることは重要な情報であると考えます。前期集落の全竪穴住居軒数は16軒、堀之内1の全竪穴住居軒数は47軒+α(20軒位?)ですから竪穴住居1軒あたりあるいは住人1人あたりの狩猟獲物数をイメージすると堀之内1の数は大幅に少なくなります。
後期集落では生業の大きな部分を漁労が占めていて、狩猟に裂くパワー・時間が限られていたと考えます。逆に前期集落では狩猟が生業のなかで占める割合が大きかったことがわかります。

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