2022年10月11日火曜日

有吉北貝塚北斜面貝層における早期土器と前期土器の分布

 Distribution of Earliest and Early pottery in the Shell Layer on the North Slope of Ariyoshi Kita Shell Mound


The distribution of earliest and early pottery in the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound was determined. The uneven distribution in two places expresses the place of use at that time, and there may have been a wetland or a spring.


有吉北貝塚北斜面貝層における早期土器と前期土器の分布を把握しました。2ヶ所に偏在分布している様子は当時の利用場所を表現していて、湿地や湧泉があったのかもしれません。

1 早期土器と前期土器の分布


早期土器と前期土器の破片出土場所


早期土器と前期土器の破片出土場所 Blender画面

2 メモ

・早期土器と前期土器は出土平面位置をメッシュ(2m×2m)番号で知ることができます。標高は記載されていません。

・早期土器と前期土器の分布は2ヶ所に偏在していることが特徴です。その偏在性について、早期土器と前期土器が同期しています。

・早期土器と前期土器が偏在分布していて、貝層全体の分布と異なる様子から、早期土器と前期土器は阿玉台式期~加曽利EⅢ式期の貝層形成活動にともなって持ち込まれたものでないことが判ります。

・早期土器と前期土器の出土層位の詳細は不明ですが、一部推定できるものは土層や混貝土層出土のものが多く、阿玉台式期から加曽利EⅢ式期の活動で撹乱を受けた地層・貝層出土が大半であると推測します。

・早期土器と前期土器は偏在出土した場所付近で人々の活動があり、その結果土器が投棄され、その土器破片が貝層形成活動で生まれた地層・貝層に混入したものと想定します。

・早期と前期の活動とはこの場がガリー流路谷底であることから、水辺に関わる活動であると想定します。湿地・池あるいは湧泉があったのかもしれません。




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