2025年7月23日水曜日

縄文遺構の3Dモデリング基礎取組み日誌(2025.07.23)

 Basic Initiative Diary for 3D Modeling of Jomon Remains (2025.07.23)


I am working on mastering the basic techniques for 3D modeling of Jomon remains. I attempted to do a rough 3D modeling of a part of a case that was difficult for me.


縄文遺構の3Dモデリング基礎技術の習熟に取組んでいます。自分にとって難易度の高い事例の部分について概略3Dモデリングを試みました。

1 有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/D部分の概略3Dモデリング


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/D実測図の検討図をBlenderにプロットした画面


有吉北貝塚土坑SK657A/B/C/D実測図の検討図をBlenderにプロットした画面(部分3Dモデリング結果表示)


3Dモデリングのために描画したべジェ曲線

Blenderで、3Dモデリングのために描画したべジェ曲線は全部で6本です。このべジェ曲線をコピー(Shift+D)して、高さを変化させるなどして使いまわして、3Dモデリングを作成しました。


作成した3Dモデル


作成した3Dモデル


作成した3Dモデル


作成した3Dモデル

2 感想

2-1 空間識の虚弱さは場数を踏むことで挽回するしかない

実測図から空間の状況を思い浮かべ、べジェ曲線をどのように描いたら、思い浮かべた3Dモデリングができるかという認識力を空間識と呼ぶことにします。その空間識が、自分はとても虚弱であることを思い知らされました。空間の様子を漠然と思い浮かべることはできます。しかし、それをべジェ曲線の3D配置で的確に表現できないのです。平面図(地図など)は得意だけれども、立面図は分析対象にしてこなかったことの跛行性を思い知らされます。嘆いていてもらちが空きませんから、3Dモデリングの場数を踏むことにします。縄文遺構には複雑なものがあるといっても形状そのものは「たかが知れている」ことは明白です。従って、3Dモデリングの場数を踏めば、なんとかなると楽観します。

2-2 3Dモデリングのステップ

実測図として表現された縄文遺構に複雑な3D形状がある場合、その部分だけ概略3Dモデリングして、3D形状の確認を行うことは、空間識が虚弱な自分の現状では、大切であると考えます。

概略3Dモデリング→本3Dモデリングとステップを踏み、空間識を高めることが大切であると考えます。

2-3 3Dモデリングのより高度な取組み展望

現在の自分の取組みは、発掘調査報告書実測図に表現された3D形状を、そのままいかに効率的に3Dモデリングするかということです。それは大切で基本的なことです。

しかし、縄文遺構の3D形状はそれぞれ縄文人が所定の機能を得るために造形したものです。従って3Dモデリングは、より本質的には、実測図そのものを表現するのではなく、縄文人が利用した機能を的確に表現する3Dモデル復元でなければなりません。つまり、遺構の利用・機能について深い知識が、3Dモデリング実務者に求められます。

また、実測図と発掘写真を照合すると、実測図を金科玉条のもとして扱うことは適切でない場合があることにも気が付きます。


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