縄文土器学習 374
現在、加曽利貝塚博物館E式土器企画展(終了)の展示土器について学習しています。この記事では加曽利EⅢ式土器として、加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企3を観察します。(企3はこのブログにおける整理番号です。)
1 加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企3 観察記録3Dモデル
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企3 観察記録3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」
撮影月日:2019.11.19
整理番号:企3
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 59 images
展示の状況
2 3Dモデルから作成した文様浮彫展開写真
GigaMesh Software Frameworkを使って3Dモデルから文様浮彫展開写真を作成しました。
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企3 文様浮彫展開写真 1
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企3 文様浮彫展開写真 2(参考)
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企3 文様浮彫展開写真 3(参考)
3 観察と感想
・口唇部が極端に肥大化してラッパ状になっています。
・口唇部の1カ所に注ぎ口が刻まれていますから、液体保存などに使われた土器で通常の煮沸用鍋とは異なる容器であったと考えます。
片口の様子
・これまでに観察したことのある次のような土器と用途が類似の土器であると考えます。
加曽利EⅢ~Ⅳ式両耳壺(りょうじこ) No.27
愛生遺跡出土
2019.03.04記事「加曽利EⅢ~Ⅳ式両耳壺の観察」
加曽利EⅡ式把手付鉢
流山市立博物館企画展「流山のお宝新発見-さわってみよう、見てみよう-最新発掘情報展」(2019.07.13~09.16)展示
この土器には片口がついています。
2019.08.18記事「加曽利EⅡ式把手付鉢の観察記録3Dモデル作成」
4 参考 内田裕治式土器展開写真
この土器は内田裕治式土器展開写真を作ったことがあります。
内田裕治式土器展開写真
展開写真作成原理が内田裕治式土器展開写真とGigaMesh Software Frameworkでは異なりますから、世界地図の投影法の違いによるのと同じように図柄が異なります。
2020.01.20記事「内田裕治式土器展開写真の作成」
2020年3月12日木曜日
2020年2月24日月曜日
加曽利EⅢ式のキャリパー形土器例
縄文土器学習 354
加曽利貝塚博物館E式土器企画展の展示土器について学習しています。
2020.02.23記事「加曽利EⅢ式土器学習のポイント」で加曽利EⅢ式土器が次の3種から構成されていることを知りました。
加曽利EⅢ式土器の3つの種類
ア キャリパー形土器
イ 意匠充填系土器
ウ 横位連携弧線文土器
加曽利貝塚博物館E式土器企画展の展示土器について学習しています。
2020.02.23記事「加曽利EⅢ式土器学習のポイント」で加曽利EⅢ式土器が次の3種から構成されていることを知りました。
加曽利EⅢ式土器の3つの種類
ア キャリパー形土器
イ 意匠充填系土器
ウ 横位連携弧線文土器
このうちキャリパー形土器として例示して、3Dモデルも掲載した加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企2について観察します。(企2はこのブログの整理番号、以下同様)
1 加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企2の展開写真
土器が黒く3Dモデルでも詳しく観察することに苦労します。そこで3Dモデルから展開写真を作成して観察しました。展開写真はそれを作成する専門ソフトであるGigaMesh Software FrameworkとPhotoshopの機能を利用して立体性を読み取りやすくしたものを特別に作成しました。
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企2の展開写真
加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企2の展示状況写真
2 比較のためのEⅡ式キャリパー形土器展開写真の作成
比較のために加曽利EⅡ式深鉢(四街道市南作遺跡)企19の展開写真を作成しました。
加曽利EⅡ式深鉢(四街道市南作遺跡)企19の展開写真
企19土器の3Dモデルは2020.02.02記事「加曽利EⅡ式土器観察 企19 内面展開写真も」に掲載しています。
加曽利EⅡ式深鉢(四街道市南作遺跡)企19の展示状況写真
3 EⅢ式(企2)とEⅡ式(企19)の比較
加曽利EⅢ式土器としてのキャリパー形土器の特徴は加曽利EⅡ式土器と対照して、次のように整理されています。
1 口縁部文様帯と胴部文様帯を区別する明瞭なヨコ一次区画効果(稲田1972) の減少
2 口縁部主文様(渦巻文)と副文様(区画文)の一体化
3 胴部懸垂文と口縁部文様の癒着
4 胴部の縣垂文効果を有する無文部が拡大し、本来‘‘地”の部分であった縄文部に懸垂文効
果が移行
5 懸垂文を描出する沈線が縄文部の上端で連結し、懸垂文効果が完全に縄文部によって描出される。
(加納実(1995):下総台地における加曽利EⅢ式期の諸問題-集落の成立に関する予察を中心に-、千葉県文化財センター研究紀要16 から引用)
このうち加曽利EⅢ式深鉢(佐倉市内田端山越遺跡)企2は次のような特徴を観察することができます。
1 口縁部文様帯と胴部文様帯を区別する境界部(隆起線)が折れ曲がり、同時にその隆起線が不鮮明になり半ば消失しているように観察できます。EⅡ式に見られる明瞭なヨコ一次区画効果が減少しているといえます。
2 渦巻文が退化して口唇部に小突起としてその名残をとどめているようです。渦巻文が退化して区画文に吸収されているような状況として観察できます。
この観察をEⅡ式(企19)との対照で示すと次のようになります。
EⅢ式(企2)とEⅡ式(企19)の比較
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