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2026年10月19日月曜日

動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)のヘビ文の配向について

 On the Orientation of the Snake Motif on Earthenware with Animal-Design Motifs (Yurugimatsu Site, Funabashi City)


The snake motif on this piece of earthenware (from the Yurugimatsu site in Funabashi City) is oriented downward—a distinct, minority configuration, given that most abstract snake motifs are oriented either to the left or to the right. It is intriguing to consider what might lie behind this unique feature.


動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)のヘビ文の配向が下方であり、多くの抽象ヘビ文の配向が左か右であることと異なる少数派です。この特殊性の背景に何があるのか興味が湧きます。

1 抽象ヘビ文の配向


口の方向が左の例

口の方向が左の例が数として一番多い。


口の方向が右の例

口の方向が右の例は数として少数です。口の方向だけを考えると、口の方向が左の例の左右反転になります。


口の方向が下の例(動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡))

抽象絵画文有孔鍔付土器(箕輪町上の林遺跡)の例も口の方向が下の例になります。


口の方向が下の例(抽象絵画文有孔鍔付土器(箕輪町上の林遺跡))

口の方向が下の抽象ヘビ文は自分はこれ以外に見たことがありません。おそらく口の方向下の例は左、右の例より極少数だと考えられます。

口の方向が下の例は口の方向が左の例を反時計回りに90°回転した形状になります。

2 メモ

動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)のヘビ文の配向が下方であり、多くの抽象ヘビ文の配向が左か右であることと異なる少数派です。この特殊性の背景に何があるのか興味が湧きます。船橋市が抽象文土器分布の辺境地であることが関係しているのではないだろうかと想像しています。


抽象文土器の分布と船橋市ユルギ松遺跡の位置

今福利恵 2020 「勝坂式土器における抽象文」から引用加筆




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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

スマホでGoogleアプリのkeepメモを重宝して使っています。とくに散歩中思考のメモに威力を発揮しています。過去は散歩中思考を忘れないで意識して記憶して自宅に持ち帰り、直ぐにパソコンにメモする習慣を作りました。散歩中に鉛筆とメモ帳で実際にメモする活動が定着する前に、散歩中思考の要点を記憶できる能力が開発されました。

最近keepメモに音声入力すると、手間がほとんどかからないで、メモることができ、記憶→自宅メモよりはるかに効率的であることを発見し、突如としてkeepメモの強烈利用者になりました。音声入力では漢字変換間違いなどの修正は一切おこないません。あとで自分にだけ意味がわかればよいのです。そして、反応がとてもよいです。アプリがもたもたしません。パソコンの付箋ソフトはとてももたもたします。それがありません。メモは全てリスト型式で行い、後に利用した項目はチェックして表示から消します。そして更なる利点として、同じkeepメモをパソコンでも編集利用できます。この【グッド&ニュー】のネタも常時keepメモで蓄積していて、いくら記事が増えても新鮮なネタを利用できるようにしています。


2026年10月18日日曜日

動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)のヘビ文解釈について

 On the Interpretation of the Snake Motif on Earthenware from the Yurugimatsu Site (Funabashi City)


In 2022, I analyzed the patterns on a piece of earthenware from the Yurugimatsu site (Funabashi City) and proposed that it depicts two snakes—a parent and its offspring. I have since re-examined this interpretation to see if it holds up, but I have been unable to come up with any other plausible explanation.


動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)のヘビ文について2022年に文様解釈して、親ヘビと子ヘビの2匹が描かれていると想像しました。本当にそれでよいか再検討し、結局、それ以外の考えは思い浮かびませんでした。

1 2022年7月の文様解釈


2022年7月の文様解釈

子ヘビが親ヘビと重なって描かれていると考えましたが、このような文様事例は例えば今福利恵(2020)「勝坂式土器における抽象文」に掲載されている250点近くの実測図にはありません。また、開口部をもつ体内空間を出産口としまいたが、このような検討事例もありません。

類似解釈例はないけれども、次のような今福利恵記述と末木健論文によりヘビ2匹の想像に至りました。

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今福利恵(2020):「勝坂式土器における抽象文」の3ページ左下の記述。

「末木健はこれまでの抽象文土器の研究をまとめて、その土器の特徴と成立変遷を改めて示した。その検討の中で抽象文は、文様のあり方からサンショウウオを否定し、形態的な特徴からマムシであって胴部につく触手状隆線は卵胎生であるマムシの出産を表現したものと解釈している。その当否はともかくとして、抽象文はヘビが大小2匹表現されているとしたところはこれまでにない考えである。」

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2 文様再検討


ヘビ文


ヘビ文の問題箇所

ヘビ文A~Dについて3Dモデルを詳細に観察しました。


A,B Final Render


A,B Matcap

AとBが一つの口を表すのか、口はAだけなのかの解釈の違いが問題になると考えます。口を3本の線で表現しているヘビ文は沢山あります。しかし、この事例では自分はAが口、Bは口ではないと考えます。


C Final Render


C Matcap

Cが動物文の一部であるのか、それとも土器パネルの一部であり動物文から切り離すべきものであるのかということが解釈の分かれ目になると考えます。Cの回りに動物文の外側を区画する線がありますから、Cは動物文の一部であると考えざるを得ません。BとCの連続から子ヘビと考えることを正面から否定できません。子ヘビではない別のモノかもしれませんが、そのアイディアが浮かんでません。


D Final Render


D Matcap

Dは体内の空間が対外口をもっているように観察できることを否定できません。それが本当に出産口をいとしたものであるのかどうかはDだけから判断できませんが、出産口以外のアイディアが浮かんできません。

結局、2022年7月の文様解釈以上の情報を得ることが出来ませんでした。そして、親ヘビと親の体外に出た子ヘビが同時に表現されている事例はこれまで見つかっていないという情報、さらには出産口表現も見つかっていないという状況も確認できました。

素人の想像による文様解釈とは言え、自分の思考を学術世界の情報と合わせることができないことは、不安定(不安)な状況でもあり、おもしろい状況(もしかしたら自分の思考に一理があるかもしれない)状況でもあります。


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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

今福利恵(2020):「勝坂式土器における抽象文」[山梨県考古博物館・山梨県埋蔵文化財センター研究紀要36]を2022年に入手した時はとても大変な手続き・作業となりました。地元千葉市図書館から山梨県図書館に連絡して取り寄せたのです。1カ月以上の時間がかかりました。しかし、今は全国文化財総覧で一瞬の内にpdfとして入手できます。全国文化財総覧が考古研究インフラとしてはたしている役割は甚大なものであると考えます。一利用者として感謝します。


2026年10月17日土曜日

動物意匠文付土器の文様に類似した土器事例

 Examples of Earthenware with Motifs Similar to Those on Animal-Design Pottery


I realized that I had previously created a 3D model for the purpose of examining a piece of earthenware featuring patterns similar to those (depicting frogs and snakes) found on the animal-design pottery from the Yurugimatsu Site in Funabashi City. I have now revisited this specimen—a piece of perforated-rim earthenware (yūkō-tsuba-tsuki doki) from the Kanbayashi Site in Minowa Town, which features abstract, painterly designs.


動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)の文様(カエルとヘビ)に類似した文様の土器の観察記録3Dモデルを過去に作成していたことに気が付き、再び観察しました。抽象絵画文有孔鍔付土器(箕輪町上の林遺跡)です。

1 抽象絵画文有孔鍔付土器(箕輪町上の林遺跡)の3Dモデル観察

抽象絵画文有孔鍔付土器(箕輪町上の林遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文中期中葉

長野県宝

撮影場所:箕輪町郷土博物館常設展

撮影月日:2021.11.10


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

撮影の様子

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 218 images

2 GigaMesh Software Framework展開


GigaMesh Software Framework展開


比較資料 動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)GigaMesh Software Framework展開

3 検討

抽象絵画文有孔鍔付土器(箕輪町上の林遺跡)は縄文中期中葉の鍔付土器で、文様はカエル文とヘビ文の対が2つ表現されています。

動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)は縄文時代中期勝坂Ⅲ式期の深鉢土器で、文様はカエル文とヘビ文の対が1つ表現されています。

地理空間的に遠く離れた場所から出土し、かつ土器の用途が全く異なる土器にカエル文とヘビ文の対の文様が見られることは大いに着目すべきことであるとかんがます。

カエル文を比較すると、抽象絵画文有孔鍔付土器(箕輪町上の林遺跡)(以下Aとする)のカエル文は頭が独自につくられ、手が上に上がっています。動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)(以下Bとする)のカエル文は頭が双眼把手で代用され、手が短く水平の置かれています。

ヘビ文はAは、頭が双眼、胴はひも状という単純化した表現となっています。Bは親子2匹のヘビが描かれ、親ヘビ胴は三日月形、頭は三角状で表現されています。

AとBの文様細部は異なりますが、カエル文とヘビ文の対が描かれているという点では共通していて、その文様に対応する物語は類似のものであったと想像します。


過去記事

2021年11月16日火曜日 抽象絵画文有孔鍔付土器(箕輪町上の林遺跡)の3Dモデル観察



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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

今朝の散歩で、天空一杯に広がる、大きな細長いS字状雲がゆっくり動いていた。形状が珍しく、かつ動いている様子に自然の鼓動みたいなものを感じ取り、気持が洗われた。


2026年10月15日木曜日

動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)のGigaMesh Software Framework展開

 Unrolling of Earthenware with Animal-Motif Designs (Yurugimatsu Site, Funabashi City) Using the GigaMesh Software Framework


I have processed a 3D model of an earthenware vessel featuring animal-motif designs—excavated from the Yurugimatsu site in Funabashi City—using the GigaMesh Software Framework. This "unrolling" technique allows for a comprehensive, side-by-side view of the designs, facilitating deeper analysis and reflection on the patterns.


動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)の3DモデルをGigaMesh Software Framework展開しました。展開すると文様を一覧的に確認できるので、文様に関する思考を深めることが可能になります。

1 GigaMesh Software Framework展開による6面図


GigaMesh Software Framework展開による6面図

GigaMesh Software Frameworkでは3Dモデルの6面図分の展開画像がアウトプットされます。

2 GigaMesh Software Framework展開図


GigaMesh Software Framework展開図(front図)

3 メモ

3DモデルをGigaMesh Software Frameworkで展開すると文様を一覧的に確認できるので、文様に関する思考を深めることが可能になります。

文様解釈は次の記事で行います。

4 参考 GigaMesh Software Framework画面


GigaMesh Software Framework画面



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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

ブラウザchromeの検索欄に長文の相談文を書き、AIモードで検索するとChatGPTと同じ形式で答えが帰ってくることを知りました。このAI利用は一応匿名的であると考えますので、健康の相談などプライバシーに関わる相談をしています。便利です。

一方、ChatGPTはよく使うので、ChatGPTが私の特性(考古や3Dに興味があることなど)を踏まえているので、自分から見るとChatGPTにほぼ個人を特定されているので、技術的相談などに限り利用しています。プライバシーに関わる相談はしないようにしています。


動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)観察記録3Dモデル

 3D Model for Observation: Earthenware Vessel with Animal Motifs (from the Yurugimatsu Site, Funabashi City)


I have created a 3D model for observation purposes based on an earthenware vessel featuring animal motifs—an artifact from the Yurugimatsu Site in Funabashi City, currently on display at the Funabashi City Tobinodai Historic Site Park Museum. It appears to depict a frog and perhaps a pit viper. The piece is exhibited on a small pedestal that allows for 360-degree viewing, and it is not enclosed by a glass cover.


船橋市飛ノ台史跡公園博物館に展示されている動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。カエルとマムシか? 四周をめぐることができる小台の上にガラスカバー無しで展示されています。

1 動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)観察記録3Dモデル

動物意匠文付土器(船橋市ユルギ松遺跡)観察記録3Dモデル

深鉢形土器、縄文時代中期、勝坂Ⅲ式、約5200年前

撮影場所:船橋市飛ノ台史跡公園博物館常設展示

撮影月日:2026.10.07


展示の様子

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v9.013 processing 231 images

3


Dモデルの動画


3Dモデルの画像


3Dモデルの画像

2 メモ

2-1 過去の取組み

この土器は過去に観察記録3Dモデルを作成しています。

2021年11月4日木曜日 動物意匠文付土器の3Dモデル観察


2021年11月展示(八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」)の様子

この時の撮影環境は3Dモデル作成という観点からいえば最悪でした。78枚写真から3Dモデルを作成しました。奇跡的に地物の100%をカバーした3Dモデルが出来ました。

また、2022年11月に文様について詳しく検討しています。

2022年7月4日月曜日 動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡) 観察記録3Dモデルの再観察


2022年7月の文様解釈

2022年7月には、今福利恵(2019)「勝坂式土器における動物文様と人体表現」を参考にして、カエルと親子2匹ヘビが描かれていると解釈しました。

2-2 今後の取組み

この土器のGigaMesh Software Framework展開及び上記記事の妥当性検討を別記事でおこないます。



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【グッド&ニュー】(ブログ活動や生活・散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)

パソコンの電源を消して、書斎整理する時間を作ることが日課となって4日目となった。三日坊主は1日だけオーバーできた。1か月くらい続ければかなり整理が進むと考えるようになった。

机の引き出しの奥とか戸棚のおくから海外旅行の写真が出てきた。20年くらい前の旅行社ツァーでは修学旅行の集合写真みたいのを撮っていて、それが出てきた。妻以外の人物の顔は誰も思い出せないが、そういう時代もあったかと思い出し整理の手を休めた。

2022年7月4日月曜日

動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡) 観察記録3Dモデルの再観察

 Pottery with animal design (Katsusaka type III) (Yurugimatsu site, Funabashi City) Observation record 3D model


I re-observed the observation record 3D model of pottery with animal design (Katsusaka type III) (Yurugimatsu site, Funabashi city).  It seems that the parent snake and the baby snake are drawn on the snake pattern. I tried to draw an interpretation example in a 3D model.


動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡) 観察記録3Dモデルを再観察しました。ヘビの図柄には親ヘビと仔ヘビが描かれているようです。解釈例を3Dモデルに描き込んでみました。

1 動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡) 観察記録3Dモデル(解釈例)

動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡) 観察記録3Dモデル(解釈例)

撮影場所:八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」

撮影月日:2021.11.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.506 processing 78 images

Pottery with animal design (Katsusaka type III) (Yurugimatsu site, Funabashi City) Observation record 3D model

Location: Yachiyo Municipal Folk Museum “Rakugaku Jomonkan-Enjoy the Jomon Pottery Manabi-“

Shooting date: 2021.11.02

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.506 processing 78 images


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

3 メモ

3-1 時代対応

動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡)と「今福利恵 2019 「勝坂式土器における動物文様と人体表現」「研究紀要」35 山梨県立考古博物館・山梨県埋蔵文化財センター」の動物意匠の変遷を対応させると次のようになります。


動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡)と動物意匠の変遷(今福、2019)の対応

今福利恵(2019)「勝坂式土器における動物文様と人体表現」から引用加筆

図柄としては「カエル文と抽象ヘビ文の対峙」に該当しますが、時代的にはユルギ松遺跡土器は中部高地でその図柄がすでに終焉していた頃(井戸尻期)になり、時期的ズレがあるようです。中部高地からみると船橋市は奥東京湾という海を越えた先の辺境地に位置します。そうした辺境地に中央高地の新しい文化(カエル文、イノシシ文、ヘビ文の対峙)が届くまでに一定の時間を要したのかもしれません。


抽象文土器の分布と船橋市ユルギ松遺跡の位置

今福利恵 2020 「勝坂式土器における抽象文」から引用加筆

3-2 抽象ヘビ文の解釈

抽象ヘビ文には口を大きく開けた親ヘビのみならず、同じく口を大きく開けた仔ヘビと親ヘビ産出口も描かれていると解釈しました。

3-3 参考 展示説明

「図44は船橋市ユルギ松遺跡出土例で、器面の対向する位置に2つの抽象化された動物意匠が貼り付いています。いずれも無文の口縁部下に眼鏡状突起が付きますが、突起を尻尾として弓なりになって頭を垂れた動物と、突起を頭として四肢を広げた動物の意匠がパネル文の胴部に描かれています。」(らくがく縄文館、八千代市立郷土博物館)

4 技術メモ 3Dモデルテクスチャへの直接描画


3Dモデルテクスチャ直接描画画面(Photoshop画面)

この作業では「シーム」を適切に適用しました。

3Dモデルテクスチャへの直接描画方法の基本は次にメモしてあります。

2022.05.25記事「縄文土器3Dモデルに直接描画」

5 参考

当初検討記事

2021.11.04記事「動物意匠文付土器の3Dモデル観察」

当初3Dモデル

動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡) 観察記録3Dモデル Earthenware



2021年11月4日木曜日

動物意匠文付土器の3Dモデル観察

2つの動物が描かれている動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡)が八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」で展示されています。その土器の3Dモデルを作成し、観察しました。

1 動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡) 観察記録3Dモデル

動物意匠文付土器(勝坂Ⅲ式)(船橋市ユルギ松遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:八千代市立郷土博物館「らくがく縄文館-縄文土器のマナビを楽しむ-」

撮影月日:2021.11.02


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.010 processing 78 images


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

3 観察と感想

3-1 サンショウウオか

・以前茅野市尖石縄文考古館でサンショウウオを意匠したと考えられる土器を観覧して3Dモデルを作成したことがありますが、今回観察した土器の1つの動物意匠文はサンショウウオのように見えます。


サンショウウオか

頭が下でしっぽが上にあります。

参考 縄文中期前半抽象文深鉢形土器(茅野市辻屋遺跡)B 観察記録3Dモデル

縄文中期前半抽象文深鉢形土器(茅野市辻屋遺跡)B 観察記録3Dモデル 

撮影場所:尖石縄文考古館 

撮影月日:2019.09.13 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 44 images

3-2 カエルか

もう一方の動物はカエルだといわれています。


カエルか

頭が上になります。後足が短いのでカエルらしくありません。

3-3 感想

千葉県でこのような動物意匠文土器が出土していることに驚きました。千葉市とくらべて市川市や船橋市は中央高地の影響を濃く受けていたということです。

3-4 技術的感想

狭いショーケースの端にあるこの土器の3Dモデルが、まがりなりにも欠けるところなくできたことはラッキーなことでした。