上図は千葉市図誌下巻(千葉市発行)に掲載されている「小金牧周辺野絵図にみる柏井周辺」(県立中央図書館所蔵)です。「17世紀中頃か」ということと「当時はまだ印旛沼堀割り工事が行われておらず、図では川が完全に分断している」という説明が書かれています。
この絵図から堀割普請前の花見川の上流端は、右岸から流入する川(柏井の谷津)よりもさらに上流にあったことがわかります。
次の図は、同じく千葉市図誌下巻に掲載されている「柏井の地番割図 1934(昭和9)年7月作製1992年写」です。
「小金牧周辺野絵図にみる柏井周辺」とこの「柏井の地番割図 1934(昭和9)年7月作製1992年写」を比較すると、花見川の上流端付近の谷底の地名が「北谷」に対応しており、上流端両側の台地部分の地名が「高台」「西高台」に対応していることが読み取れます。
この地番割図は現代測量図にトレースしたことが推察されますので、地番割図とGIS空間との位置対比を試みました。
位置対比の手がかりは、1地番割図の外周線(柏井村境)と数値地図1/2500(空間データ基盤)(平成18年発行)の町丁目界線(赤点線)を合わせること、2地番割パターンと旧版1万分の1地形図の地形、道路などのパターンを合わせることとしました。GISでは地図の拡大、回転、移動、半透明化、着色が自由に出来ますので、これらの機能をフルに活用して、試行錯誤の手作業で何とか地番割図をGIS空間に対比させました。上図がその結果です。あちらがたてばこちらがたたないという部分がありますが、厳密な結果を必要としていませんのでこの程度で我慢することにします。(つづく)
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