2011年2月28日月曜日

花見川中流紀行 13縄文海進と貝塚分布

            縄文海進のイメージと貝塚分布
 縄文海進のイメージ図の確からしさを検証するために、この図に貝塚分布をプロットしてみました。貝塚のデータは「千葉県埋蔵文化財分布図(2)」(昭和61年3月 財団法人千葉県文化財センター)を用いました。この図の範囲には24の貝塚が確認できました。貝塚分布と縄文海進イメージ図(現在の等高線+10m付近まで海が侵入したと想定※)との関係に基本的な齟齬は認められませんでした。なお、馬加貝塚が海の中にあるように見えますが、これは後世の花見川ショートカット工事で台地が削られたため、台地縁砂洲にあった貝塚がそのような見かけになっているだけです。
 縄文海進のイメージ図の確からしさを自分なりに検証したので、今後、このイメージ図を使って過去の出来事に思いを馳せたいと思います。
※過去の海面の高さが+10mになっていたわけではありません。

            正面は城山貝塚を覆って造成された建売住宅
 城山貝塚は千葉市最北端に位置する貝塚で、縄文海進の海が長作川の低地奥深くまで進入した様子を示す証人みたいなものです。この遺跡は長作川湾入部に半島状に突き出た地形となっていて、現在ではその半島状の地形をそのまま覆って建売住宅群が建てられています。従って、御成街道(東金街道)を車で走行しながらこの建売住宅群を遠望すると、半島状の地形が確認できます。縄文早期遺跡。
            画像右側台地上の縁に坊辺田貝塚がある
坊辺田貝塚は長作川低地に湾入した海の湾口部を見下ろすような位置に立地した貝塚です。

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