2011年12月28日水曜日

谷中分水界の発見

滝ノ清水から東南800m程のところに谷中分水界がありますので紹介します。
この谷中分水界は旧版1万分の1地形図を眺めているとき発見したものです。

旧版1万分の1地形図「大久保」「三角原」部分

北から伸びてきた芦太川(印旛沼水系)の浅い谷が、長作川(東京湾側水系)の猪田谷津によって頭を切られたところにあります。
現代の地図を次に示します。

谷中分水界付近(数値地図2500[空間データ基盤])

次に、現代の地形を3Dレリーフ図で示してみました。
3D表現すると、読図という翻訳作業を頭脳に強いなくてもよいので、直感的に地形を理解できます。その分地形の意味や成因など本来考えるべき事柄にエネルギーをより多く使うことができます。

谷中分水界3Dレリーフ図1(5mメッシュ+カシミール3D)

谷中分水界3Dレリーフ図2(5mメッシュ+カシミール3D)

参考 上記谷中分水界3Dレリーフ図は次の基本色区分に基づいて、色と色の間のグラデーションを利用して標高1m毎の異なる色のレリーフで表現しています。
谷中分水界3Dレリーフ図の基本色区分

この谷中分水界の存在から、次の2つの興味が発生しました。

ア 人文的興味
谷中分水界を起点に発する放射状の道の意味はぜひ知りたくなります。
この場所が峠にあたり、古代から交通の要衝であったに違いありません。この場所の交通など、人との関わりの歴史資料を探したくなります。
しかし、ざっと調べた限りでは、資料は見つかりません。どうするか?

イ 自然的興味
この谷中分水界がなぜできたか、知りたくなります。
この谷中分水界の形成史を考えることは、印旛沼水系と東京湾水系の地形的せめぎあいを考えることであります。この場所から東1.3㎞には花見川があり、河川争奪の現場になっています。
花見川河川争奪の成因仮説を検証するためにも、この谷中分水界の地形発達を考えることに興味が増します。
これまでに獲得できたいくつかのスキルを有効活用して、自分としてはすこし突っ込んだ検討をしてみたいと思います。

このブログでは当面、次の項目で谷中分水界に関する記事を連載する予定です。
1 谷中分水界の地形事実
・断面や縦断、現場の様子など。

2 谷中分水界の利用
・放射状の道、峠、野馬土手など

3 谷中分水界の成因
・地形面、崖、浅い谷と深い谷、花見川河川争奪との対比

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