花見川現地調査報告4
1 調査地点情報
次に調査地点の位置図を示しました。
調査地点位置図
基図は千葉市提供DMデータを使用しました。
事前に米軍が昭和24年に撮影した空中写真の実体視により作成した地形分類図(予察図)を次に示します。
事前に作成した地形分類図(予察図)
地形断面を次に示します。
断面1
千葉市提供DMデータ等高線情報から作成しました。
断面2
千葉市提供DMデータ等高線情報から作成しました。
2 高度から段丘面を2区分する
現地では高度から、河岸段丘がほぼ14mから16mの高さの低位面とほぼ18mから20mの高位面に区分できることが判りました。
事前に作成した地形分類図(予察図)の一部を修正する必要が生じました。
低位面と高位面が接するところには1m~2m程度の小崖が確認できます。
現地で予想した段丘面の分布と区分
3 高位面の露頭
露頭1、2は高位面を切っている断面です。
露頭1
露頭の上部は未固結黒色腐植質細砂、中下部は未固結褐色細砂になっています。
段丘面上は人為の影響を強く受けているので、この露頭がフレッシュな地層断面を表現していない可能性を排除できません。
露頭2
ローム質シルトが観察できます。
周辺の人為改変により、観察しているものが真に地層構成物であるか100%の確信を得られません。
想像たくましく考えれば露頭1、2の細砂、シルトは人為の攪乱を受けていたとしても、もともとの段丘堆積物であると思います。
露頭3
高位面背後の段丘崖付近の露頭です。斜面に堆積したロームのようです。
集落が立地してフレッシュな露頭が皆無の地域の段丘堆積物調査方法について、どのような専門的調査方法があるのか、情報収集してみたいと思います。
現場調査経験を積むことが一番大事だと判りますが、それ以外の方法(住民ヒアリング、井戸やボーリング資料入手、ハンドオーガー調査、…)について検討してみたいと思います。
4 段丘を作った古柏井川の流向
河岸段丘を作った古柏井川の流向を証明する方法として、地質面からの方法としては、段丘堆積物が礫である場合、その地層断面を観察できれば、インブリケイションの方向で流向を直接明らかにすることができます。
しかし、古柏井川の段丘堆積物は細砂やシルトであることが判ってきたので、この方法は使えない可能性が大です。
地形面からみると、谷津流心線の方向、段丘面分布から北に向かって流れていたことが証明できます。
段丘を形成した当時の古柏井川の流向
仮に異をとなえて、河岸段丘を作ったころの川の流向を、現在と同じ南方向に流れていたとすると、次のようなあり得ない地形形成を説明しなければならなくなります。
あり得ない古柏井川の流向
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