花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.2旧石器時代の移動路>3.2.9旧石器時代遺跡と地形 事例検討その3 地形断面図の作成
草刈遺跡の後期旧石器時代出土物と地形との関係について検討します。
手始めに、遺跡の地形断面図を作成してみました。
1 断面図の位置
次の図に示す断面図を作成しました。
地形断面図位置図
遺跡地図は「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)から引用
参考 地形断面図位置図
基図は一般図
参考 地形断面図位置図
基図は地形段彩図
2 地形断面図
現在の地形断面と後期旧石器時代の推定地形断面図を示します。
地形断面図
現在の地形断面図は5mメッシュ地形段彩図からGIS地図太郎PLUSの機能を利用して作成したものです。
後期旧石器時代の推定地形断面図は「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)掲載図版(「草刈遺跡群 旧石器時代遺物集中地点分布図(1/10000)」)から作成したもので、沖積層埋没部分は近隣沖積層のボーリングデータから推定したものです。
3 地形断面図と遺物集中地点
地形断面図に図示したとおり、遺物集中地点付近の地形はその勾配の程度から平坦面、緩斜面、斜面、急崖の4ゾーンに区分できます。
遺物集中地点は次のように分布しています。
●平坦面・緩斜面の遺物集中地点…下記以外の全ての遺物集中地点
●斜面の遺物集中地点…北向き斜面に点在する10数点の遺物集中地点
図示すると次のようになります。
遺物集中地点の地形別区分
「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」(千葉県発行)から引用、追記
この遺物集中地点地形別区分の意義を、「千原台ニュータウンⅩ-市原市草刈遺跡(東部地区旧石器時代)-」(平成15年、財団法人千葉県文化財センター)に掲載されているデータから検討し、記事にする予定です。
現時点では次のように見立てています。
●平坦面・緩斜面の遺物集中地点の意義…狩場の封鎖施設、狩誘導施設(獣を追い立てる際の誘導路)、臨時キャンプ(寝泊り、食事、休憩)等
●斜面の遺物集中地点の意義…獣解体後の皮を天日で干す場
●平坦面・緩斜面の遺物単独出土の意義…獣追い立てなどの狩活動
なお、沖積層に埋没している急崖下(あるいは途中)に獣を仕留め解体した場があると考えます。
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