2015年11月17日火曜日

古代水運のキーワードとしてのフナコシ

小字地名データベース作成活用プロジェクト 34

千葉県北部34市町の小字データベースの試用として、フナコシについて予備的な検討をしてみます。

このブログでは船越という概念が古代水運を考える上で極めて重要であると考えています。

船越とは水運路を短区間陸路でつなげるという古代水運で使われた技術であり、技術用語として現代にまで伝わってきていると認識しています。

船越のイメージ
2015.01.08記事「古代交通技術「船越」の進化形 古代ギリシャの例」参照

その古代技術用語が地名となって、現代に伝わっています。

2014.11.23記事「相模湾と東京湾の古代水運路をつなぐ船越」では古代東海道水運の逗子湾と走海(東京湾)を結ぶ陸路の船越を紹介しています。
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参考

逗子横須賀船越付近の地勢と説明
Google Earth利用

古代の道
「千葉県の歴史 通史編 原始・古代1」(千葉県、平成19年)から引用
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千葉県北部34市町小字データベースからフナコシは大字1か所、小字3か所の合計4か所が抽出できました。

千葉県北部34市町フナコシ(船越・舟越)小字、大字の分布(アドレスマッチングによる)

古代水運技術用語であるフナコシが地名になっていることから、逆にその地名から古代の水運の状況を想像することができます。

その想像を地図に書き込んでみました。

フナコシ(船越・舟越)の意味の想像

この中で、CとDは椿海(太平洋岸)と香取の海を結ぶ船越であり、匝瑳郡の開発に絡んで興味が深まります。

参考「養老川と村田川から太平洋岸に通じる開拓ルート(想像)」
2015.10.29記事「参考メモ 房総古代の開拓に関する空間大局観」参照

小字データベースが有用な情報を生み出す情報源として価値の大きなものであることを確認できます。

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