2022年5月4日水曜日

縄文土器実測図から簡易3Dモデルをつくる第一歩

 The first step to create a simple 3D model from the actual measurement of Jomon pottery


I was able to take the first step to create a simple 3D model from the actual measurement of Jomon pottery. It is an activity that feels like making a paper craft from actual measurements. The work of the axis is the cooperation between Dimension and Photoshop.


縄文土器実測図から簡易3Dモデルをつくる第一歩を踏み出すことが出来ました。

1 縄文土器実測図からつくる簡易3Dモデル

縄文土器実測図からつくる簡易3Dモデル


実測図(加曽利貝塚博物館S30企画展パンフレットから引用)


縄文土器展示の様子(R3企画展)

フォトグラメトリーによる3Dモデル

https://skfb.ly/osRYJ

2 今回簡易3Dモデルの作成方法

ア illustratorによる3Dモデル作成

illustratorで土器形状に合った3Dモデルを回転体機能で作成してWabefront(.obj)ファイルで書き出します。


illustratorの3D機能(回転体)による3Dモデル作成

イ 3Dモデルの半裁

アの3Dモデル(Wabefront(.obj)ファイル)を3DF Zephyr Liteに読み込み半裁にして、Wabefront(.obj)で書き出します。


3DF Zephyr Liteで3DF Zephyr Liteを半裁にした様子

ウ 半裁3DモデルのDimension読み込み


半裁3DモデルをDimensionに読み込んだ様子

エ 半裁3DモデルのUV書き出し

半裁3DモデルのUVを書き出します。UVはPhotoshopファイルで書き出されます。


書き出されたUVファイル画面(Photoshop画面)

オ UVファイルに実測図画像書きこみ

UVファイル(Photoshopファイル)にはアートフォルダーのレイヤーがあります。このレイヤに実測図画像をdrag and dropで取り込み、角度や大きさを調整してモデル範囲に調和的に配置します。配置が終わったらUVファイルを保存します。


実測図画像をモデル範囲に調和的に配置した様子

カ DimensionにUVファイルを反映させる

オで保存したUVファイル(Photoshopファイル)をDimensionの3Dモデルにdrag and dropします。3Dモデルに画像が貼り付きますが、プロパティでみるとデカールモードで貼り付いています。これを塗りつぶしモードに変更します。これで3DモデルにUVファイルに配置した画像が表現されます。


実測図画像が3Dモデルに貼り付いた様子

キ 微調整

カで満足できない場合、UVファイル(Photoshopファイル)を調整してそれをDimension3Dモデルに再度drag and dropすれば調整結果が即座に反映されます。PhotoshopとDimensionのやりとりの操作は判りやすく快適です。Blender操作とは全く異なるタイプの操作感です。

ク DimensionからWabefront(.obj)ファイルの書き出し

Dimensionから3DモデルのWabefront(.obj)ファイルを書き出してBlenderで利用したり、Sketchfabに投稿したりして利用します。


Dimensionから書き出したWabefront(.obj)ファイル

(実際は画像ファイルはフォルダーにまとめられています)

3 メモ

3-1 簡易3Dモデルの意義

実測図から簡易3Dモデルをつくれば実測図が一般人(もっと絞り込めば自分自身)に興味深いものになるかもしれないと考えました。学術的意味は全く考えていません。この活動は考古遺物をペーパークラフトでつくって楽しむという活動と同類です。

3-2 波状突起

波状突起や把手は現在は立体的に表現できていませんが、3DモデルをBlender等で削ることにより表現可能になると考えます。

3-3 左右縁辺部表現

土器実測図は土器を正面から見た時の図柄であり、展開図ではありません。従って実測図を3Dモデルに貼り付けると左右縁辺部のゆがみがさらに強調されます。このため簡易3Dモデルは正面付近から見ると最適となる3Dモデルです。

3-4 色塗り

実測図に文様等を判りやすくするために色塗りすれば訴求力のある簡易3Dモデルができると考えます。色塗りはPhotoshopを使っているので、効率的で効果的にできます。またillustratorを使って編集することも抵抗感なくできます。

4 注

・この土器はS30企画展では加曽利EⅣ式土器として展示され、R3企画展では加曽利EⅤ式土器として展示されました。

・関連ブログ記事

2019.03.05記事「加曽利EⅣ式4単位波状口縁深鉢の観察

2022.02.25記事「加曽利EⅤ式深鉢(No.39)(千葉市六通貝塚) 観察記録3Dモデル



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