2022年6月16日木曜日

人体文付深鉢形土器(甲州市重郎原遺跡) 観察記録3Dモデル

 Deep bowl-shaped pottery with human body pattern (Zyurobara Site, Koshu City) Observation record 3D model


I created and observed a 3D model of a deep bowl-shaped pottery with human body pattern (Zyurobara Site, Koshu City) exhibited at the Yamanashi Prefectural Archaeological Museum exhibition "Jomon people who draw the heart". The state of the dance is dynamically transmitted and it becomes fun.


山梨県立考古博物館企画展「心を描く縄文人」に展示された人体文付深鉢形土器(甲州市重郎原遺跡)を3Dモデルにより観察しました。踊りの様子がダイナミックに伝わってきて楽しくなります。

1 人体文付深鉢形土器(甲州市重郎原遺跡) 観察記録3Dモデル

人体文付深鉢形土器(甲州市重郎原遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文時代中期中葉

撮影場所:山梨県立考古博物館令和4年度春季企画展「心を描く縄文人 -人面・土偶装飾付土器の世界-」 

撮影月日:2022.06.01


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.506 processing 373 images

Deep bowl-shaped pottery with human body pattern (Zyurobara Site, Koshu City) Observation record 3D model

Mid-Middle Jomon period

Location: Yamanashi Prefectural Archaeological Museum Reiwa 4th Spring Exhibition “Jomon people who draw their hearts-The world of pottery with human face and clay figurines-“

Shooting date: 2022.06.01

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.506 processing 373 images


3Dモデルの動画です。

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

3 メモ

3-1 展示説明

「重郎原遺跡出土品は、一の沢遺跡出土の人体文付深鉢形土器では、三角の頭で表現されていた部分が腕組み部分だけになっており、抽象化が一段進んでいることがわかります。また、丸頭の人も、足の表現がデフォルメ化されているようです。」(展示説明)


展示説明画像

3-2 表現内容の説

山梨県埋蔵文化財センターwebページ「一の沢遺跡の人体文土器~人をモチーフにした土器2~」における説明をまとめると次のようになります。


山梨県埋蔵文化財センターwebページ「一の沢遺跡の人体文土器~人をモチーフにした土器2~」における説明

●一の沢遺跡出土土器について

1説

男性器のある人物が男性で円形頭、三角頭は女性と考える。女性2体のポーズが逆なので動きがある。男女ともに踊っている。

2説

手を広げる人物の両側の人物が手を合わせている。その一方は男性器があるので男、一方はないので女である。手を広げる人物は神かマツリの主催者、両手を腰にあてているのはバランスを司る神。三角頭が神、丸いのが神。

私の空想

1説の男、男、2説の女、男は太鼓(土器)とバチを持っているように感じてしまいます。2人の人物(そのうち1人は男性確実)が太鼓(土器)とバチではやし、2人の女性あるいは神が踊っているように感じてしまいます。自分には2説がもっともらしく感じます。

●重郎原遺跡出土土器について

山梨県埋蔵文化財センターwebページ「一の沢遺跡の人体文土器~人をモチーフにした土器2~」説明

両手を広げる人物の頭が丸いので男性として、両手を広げているのが女性とし、踊る男性とひし形女性が交互に並んでいるとしています。

私の空想

土器の図柄として集落男女が行う踊りを「風俗画」のように土器に描くことはまだ無かったとおもいます。祭祀に関わる図柄であると考える方が順当だと素人考えします。踊る人物は神として描いていると思います。(土偶はすべて神を人間風に描いたもので人間ではないと思います。)

一の沢遺跡出土土器も同じですが、棒人形のような本体のまわりにそれをなぞるような隆帯が1あるいは2重に描かれています。これは動きを表現する技術だと思います。

両手を広げる人物とひし形人物は同じ踊りの開いたポーズと閉じたポーズを表現しています。したがって、この土器には4人の人物ではなく、2人(あるいは1人)の人物(神)の踊りの動きを映像コマに分けるように表現しているのかもしれません。

3-3 土器使用痕

この土器も展示を見る限り使用痕(炉で調理したために生じる土器下部の摩滅、被熱跡など)が見られません。何に使ったのでしょうか。


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