2022年6月8日水曜日

双環装飾付台付鉢形土器(北杜市海道前C遺跡) 観察記録3Dモデル

 Bowl shaped pottery with twin ring decoration and stand  (Kaidoumae C site,Hokuto City) Observation record 3D model


I observed a bowl shaped pottery with twin ring decoration and stand in a 3D model. This pottery was exhibited at the Yamanashi Prefectural Archaeological Museum exhibition "Jomon people who draw the heart". This pottery is very intriguing not only for its twin rings and stand, but also for the pattern of large stars and circles. Star and full moon?


双環装飾付台付鉢形土器を3Dモデルで観察しました。山梨県立考古博物館企画展「心を描く縄文人」展示土器です。この土器は双環と台付だけでなく大きな星丸交互文様も強く興味をそそられます。

1 双環装飾付台付鉢形土器(北杜市海道前C遺跡) 観察記録3Dモデル

双環装飾付台付鉢形土器(北杜市海道前C遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文時代中期中葉

撮影場所:山梨県立考古博物館令和4年度春季企画展「心を描く縄文人 -人面・土偶装飾付土器の世界-」

撮影月日:2022.06.01


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.505 processing 227 images

Bowl shaped pottery with twin ring decoration and stand  (Kaidoumae C site,Hokuto City) Observation record 3D model

Mid-Middle Jomon period

Location: Yamanashi Prefectural Archaeological Museum Reiwa 4th Spring Exhibition “Jomon people who draw their hearts-The world of pottery with human face and clay figurines-“

Shooting date: 2022.06.01

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.505 processing 227 images


3Dモデルの動画

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

本来1つの画像として展開するのは無理な器形ですが、ここでは無理に1つの画像として展開してみました。

3 メモ

3-1 器形・文様に関する感想

ア 双眼

双眼の上に左右非対称の文様が付きます。双眼に何か重み(権威?)を付加させるようなものだと想像します。双眼は霊世界(あの世、神の世界、死者の世界)住人の顔であると想像します。

イ 台

鉢が台の上に乗っている形状になっています。台の上に鉢を乗せて利用する場面は祭祀場面であると想像します。従ってこの鉢形土器は祭器道具であることは間違いないと考えます。

ウ 大きな星丸交互文様

自分がこれまで観察した勝坂式土器文様のレパートリーにはない文様です。星は文字通りの星、丸は満月であるととりあえず空想しておきます。星と丸の中にまた小さい丸があり星の中の小さな丸は膨らんでいるモノもあります。星や満月から人が生まれ出てくる様子を表現しているのでしょうか。

エ 感想

霊世界住人(死者)の顔があり、その体(母体)を表す土器の文様が星と月の世界(夜の世界)を表現しています。星と月から何か生まれ出ているようにも見えます。この土器の背景には霊界における誕生神話があるのかもしれません。現実界における人の誕生を霊界側(あの世側)から見て、寿ぐ道具なのかもしれません。

3-2 3Dモデルについて

この3Dモデルは隣に展示されている「双環装飾付深鉢形土器(北杜市酒呑場遺跡)観察記録3Dモデル」作成のために撮影した写真から派生的に作成したものです。従って質の低い3Dモデルとなっています。

なお、ショーウィンドウ内の位置関係からこの土器の背後を観察できません。しかし、展示説明には次のように書かれていて、この土器の背後を観察したくなります。

「双環装飾の裏面は、あたかも土偶が付いたかのように見える雰囲気です。」


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