2022年6月9日木曜日

人面装飾(顔面把手)付土器6点 観察記録3Dモデル

 6 pottery with human face decoration (face handle)   Observation record 3D model


There is a face handle exhibition corner in the Yamanashi Prefectural Archaeological Museum special exhibition "Jomon people who draw the heart". I made it a 3D model as it is. I observed 6 pottery with human face decoration (face handle) using the 3D model. I think that the complete pottery in the center is the pottery itself that expresses birth.


山梨県立考古博物館企画展「心を描く縄文人」の顔面把手展示コーナーをそのまま3Dモデルにして、人面装飾(顔面把手)付土器6点を観察しました。中央の完形土器は出産文土器そのものだと考えます。

1 人面装飾(顔面把手)付土器6点 観察記録3Dモデル

人面装飾(顔面把手)付土器6点 観察記録3Dモデル

縄文時代中期中葉


出土遺跡

人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市竹宇1遺跡)の説明

「膨らんだ胴部や、胴部に表された手などの表現など、後ほど紹介する出産文土器などと類似しており、こちらも同様のコンテクストを語るものと思われるます。」

撮影場所:山梨県立考古博物館令和4年度春季企画展「心を描く縄文人 -人面・土偶装飾付土器の世界-」

撮影月日:2022.06.01


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.505 processing 236 images

6 pottery with human face decoration (face handle)   Observation record 3D model

Mid-Middle Jomon period

Location: Yamanashi Prefectural Archaeological Museum Reiwa 4th Spring Exhibition “Jomon people who draw their hearts-The world of pottery with human face and clay figurines-“

Shooting date: 2022.06.01

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.505 processing 236 images


3Dモデルの動画

2 人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市竹宇1遺跡)のGigaMesh Software Framework展開


人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市竹宇1遺跡)のGigaMesh Software Framework展開


参考 オルソ投影4面図

(参考メモ…オルソ投影4面図では土器全体の文様分布を直観的に判断できませんが、GigaMesh Software Framework展開ではそれを一望して全体像を直観的に把握できます。GigaMesh Software Frameworkというソフトの価値の大きさをあらためて感じます。)

3 メモ

3-1 人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市竹宇1遺跡)


文様の観察

人面が見える正面胴部には双環を顔面にして4本指の2本の手がある人か動物が描かれています。その体と腕間接に出産記号と想像できる丸が描かれていて、体の出産記号と考えるものは玉抱三叉文にもなっています。双環(顔)、両手、3つの出産を一体的に考えると、その人あるいは動物の体がバラバラになって、そのバラバラの部分から神が生まれ出ているという記紀神話にあるような情景を空想することができます。把手となっている人面とこの3つの出産はどのように関係するのでしょうか。

人面が描かれている把手の裏側には上に双環その下に人面の記号表現と考えられるものが描かれています。その下に双環、両手、3つの出産記号(と考えるもの)があります。これらの記号配置の意味するものの空想はしばらく情報をため込んでから行うことしにします。

3-2 人面装飾(顔面把手)付土器(甲府市村上遺跡)


人面装飾(顔面把手)付土器(甲府市村上遺跡)

人面に鼻がありません。頭の上にヘビの頭が乗っています。背後からみると双環が2段となっていて、強い印象(怖い印象)を受けます。

3-3 人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市向原遺跡)


人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市向原遺跡)

人面は平均的な顔つきをしています。背後には大きな渦を巻く円形膨らみがあり、これが霊界の人面表現でしょうか。

3-4 人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市平林遺跡)


人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市平林遺跡)

人面の目が正円であり、目玉が表現されているように感じます。かすかに丸い2つの鼻孔が読み取れます。土器は4単位波状で顔面把手以外には双環がついています。

3-5 人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市南沢遺跡)


人面装飾(顔面把手)付土器(北杜市南沢遺跡)

顔面が模様の無い半球となっています。裏側は良く観察できませんが、同じような半球のようです。

3-6 人面装飾(顔面把手)付土器(笛吹市釈迦堂遺跡)


人面装飾(顔面把手)付土器(笛吹市釈迦堂遺跡)

人面の顔つきは平均的なものです。頭に口を開くヘビが乗っています。重要文化財。

4 技術メモ

全ての写真にガラス面反射像が写っていますが、3Dモデルにするとそれがほぼすべて除去され、反映されていないので思いのほか満足感を得られる質の高い3Dモデルができました。このような四周から観察できる展示形式は詳しく観察できるので素晴らしと感じます。


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