2022年9月18日日曜日

有吉北貝塚学習の再開

 Resumption of Ariyoshi Kita Shell Mound Learning


The Ariyoshi Kita Shell Mound excavation report study that continued from October 2020 to October 2021 will resume. I rely on my Blender skills to improve a little and learn. I will conduct a 3D spatial analysis of the excavated material from the northern slope shell layer.


2020年10月から2021年10月まで継続した有吉北貝塚発掘調査報告書学習を再開します。Blenderスキルが少しだけ向上したことに依拠して学習します。北斜面貝層出土物の3D空間分析を行います。

1 経緯

有吉北貝塚発掘調査報告書の学習を2020年10月から始め、2021年10月まで継続しました。しかし学習の難易度が増大して、それに十分に耐えて乗り越えるだけの力が乏しく、一時休憩しました。その休憩が1ヵ月のつもりが3ヵ月となり、半年、1年となっていました。しかし丸1年間の休憩の間に力の備蓄も増え、学習再開を決断することになりました。8月~9月半ばまでにBlender基礎技術習得を進めたことが学習再開の心理的決め手になったようです。


サイト 有吉北貝塚学習記事集成

有吉北貝塚発掘調査報告書学習ブログ記事の再掲サイト

このサイトでは次の項目別に過去記事を再掲集成しています。

●アリソガイ実験学習 23記事

●有吉北貝塚学習(主に中期以外) 14記事

●有吉北貝塚中期遺構学習 24記事

●北斜面貝層学習 54記事

2 学習課題と問題意識

過去記事115記事を読み返して、次のような課題や問題意識を持つことが出来ました。1年間の休憩によりこれまでの学習をある程度客観的に眺めることができるようになったと感じました。

2-1 台地上の遺構について

・竪穴住居や土坑の時期別把握が正確に出来ていないように感じました。学習を始めた当初はまずは遺跡の状況をざっくりと把握しておこうという予察的思考だったのですが、現時点からみると正確性に欠けるように感じますので、作業し直し、考察しなおすことにします。

・なお、時期別に指標「土坑数/竪穴住居数」を試算してみると第10・11群土器期(加曽利EⅡ式期 磨消以後)でその値が特段に大きくなるようです。集落生活に何かの大きな変化があったのかもしれいないので、検討を深めることにします。

2-2 北斜面貝層について

2-2-1 貝層断面図の3D分析

・貝層断面図の3D分析をおこなうことにより、北斜面貝層の発達史仮説をまとめることにします。ガリー侵食の実体を把握するとともに、ガリー侵食と貝層形成との関連を調べます。過去学習で既にある程度のイメージは出来ています。

・貝層断面図間の貝層連続性を、広域に分布する同一土器破片出土状況を指標に把握します。

2-2-2 全出土物の3D分布把握と分析

・今回学習を再開するにあたり、発掘調査報告書を再読してその中で、次の出土物についても出土位置と層位情報が掲載されていることをあらためて確認しました。中期土器以外の早期土器、前期土器、後期土器、石器、骨角器等です。つまり北斜面貝層については、そこから出土した全ての遺物の出土3D座標がかなり正確に判るということです。そこで、北斜面貝層出土遺物の全部(あるいは主要なもの)について3D分布を把握して分析することにします。

土器を始め石器や骨角器等を同時に3D分布把握し、分析することにより、それだけでも「遺物分布原理」のかなりの部分を考察できると期待できます。

2-2-3 出土物の層位(貝層断面)分析(3D空間分析)

貝層分類(純貝層、混土貝層、混貝土層)と出土土器・遺物の量の対応から、貝層の意義を考察します。特に混土貝層の成因とそれがどのような活動に関連するのか検討します。持ち込まれて破壊された土器と混貝土層が強く関連しています。その様子を3D空間分析して北斜面貝層における「遺物分布原理」を突き止めます。

3 学習ツール

学習のメインは貝層と遺物の3D分布把握・3D空間分析になります。この分布把握・分析ツールとしてBlenderを活用することにします。

4 感想

2021年10月の記事では「貝層断面図間の貝層連続性を、広域分布する同一土器破片を指標に把握できる」ところまで進みました。しかし、その作業をBlenderで効率的に行うスキルと気力の2点で自分に弱点がありました。ブログ記事掲載を優先して、じっくり作業することを軽視する悪習慣もまだ残っていました。しかし、1年経って、Blenderスキルではその時点からくらべ今回は少しですが前進しています。また気力もこの1年間の学習充実ですこしは造成されてきています。じっくり作業を軽視する悪習慣もかなり弱まってきました。なんとしてでも今回は有吉北貝塚北斜面貝層学習をモノにしたいと思います。

5 1年前の作業画面


294土器破片の平面分布の様子


294土器 加曽利貝塚博物館企画展「あれもE…」に展示された様子


発掘調査報告書掲載情報(土器片平面分布図、土器片立面分布図、貝層断面図)から土器片が出土した貝層を特定している様子(illustrator画面)

この作業を今回はBlender3D空間で行います。


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