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2025年1月18日土曜日

有吉北貝塚学習 作業日誌(2025.01.18) 地山地形(谷底部)3Dモデル完成

 Ariyoshi Kita Shell Mound Study Work Journal (2025.01.18)

3D model of natural terrain (valley bottom) completed


All elevation points (3933) were extracted from 14 ground plan views of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound, and a 3D model of the terrain was created using QGIS. The previously unclear valley bottom topography has become clearly visible. The shell layer fills the varied valley bottom topography.


有吉北貝塚北斜面貝層の地山平面図14枚から、全ての標高点(3933)を抽出し、QGISにより地形3Dモデルを作成しました。これまで不明瞭だった谷底地形が明瞭に浮かび上がりました。貝層は変化に富んだ谷底地形を充填しています。

1 地山平面図からの標高点抽出


地山平面図から標高点を抽出した様子

地山平面図14枚から全ての標高点(3933)を抽出しました。最上流部及び斜面部及び一部区域には標高点がありません。また標高点粗密のばらつきがあります。

2 地山地形(谷底部)3Dモデル

標高点(3933)だけをデータとして、QGIS(GRASSプラグイン、v.surf.rstツール)により地形3Dモデルを作成しました。


地山地形(谷底部)標高分級平面図


地山地形(谷底部)3Dモデル 画像1


地山地形(谷底部)3Dモデル 画像2


地山地形(谷底部)3Dモデル 画像3


地山地形(谷底部)3Dモデル 画像4

標高点分布域部分(谷底部分)の3Dモデルです。それ以外の3D形状は処理上結像していますが、参考にならない3Dモデルです。

3 メモ

3-1 地形に関するメモ

・下流部右岸に河岸段丘上の地形がみられることにはじめて気が付きました。

・中流左岸は上流部と比べると谷底が平坦であることが特徴となっています。

・上流部はバッドランドのように激しい凹凸がみられます。激しいガリー侵食の跡であると考えることができます。

3-2 作業に関するメモ

・セクション図の断面線から地山地形の標高点を生成し、今回読みとった標高点(3933)に加え、標高点分布の不備を補正して、北斜面貝層が収まる谷地形全体の3Dモデルを作成します。

・同時にセクション図の分析により貝層分類別分布3Dモデル作成に着手することにします。


2023年3月7日火曜日

有吉北貝塚学習の第3ラウンド開始

 The third round of Ariyoshi Kita Shell Mound study begins


I am starting the third round of Ariyoshi Kita Shell Mound Study. I will enjoy the detailed 3D spatial analysis of pottery and shell layers, and the spatial relationship analysis of various relics to my heart's content. It works in Blender's 3D space.


有吉北貝塚学習の第3ラウンドを開始します。土器と貝層の精緻な3D空間分析や各種遺物の空間関係分析などを思う存分楽しむことにします。Blenderの3D空間の中で活動します。

1 学習経緯

次の発掘情景写真に強く刺激されたことをキッカケにして2020年10月から有吉北貝塚学習をある程度体系的に進めています。


有吉北貝塚発掘情景写真

「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」から引用

学習の第1ランウドは2020年10月~2021年10月に行い、その結果はサイト「有吉北貝塚学習記事集成」にまとめてあります。

学習の第2ラウンドは2022年9月~12月に行い、北斜面貝層を対象に土器3D分布分析をメインとした学習で、Blenderをツールとして駆使しました。学習結果はおゆみ野歴史愛好会で話題提供させていただき、またその結果を千葉市埋蔵文化財調査センター西野雅人さんに見ていただき、とても有用なコメントをいただき、ご指導していただきました。西野雅人さんに感謝申し上げます。

2022.11.15記事「おゆみ野歴史愛好会で話題提供」

2022.12.15記事「有吉北貝塚北斜面貝層の土器資料新分類」


第2ラウンドの学習の様子(Blender画面)

2 第3ランウド学習の楽しみ方

第3ラウンド学習では北斜面貝層を主な対象として、次のような活動を楽しみたいと考えています。

ア 土器破片と貝層の3D相関の精緻な分析

この分析のために次の活動を行います。

・新土器分類に基づいた土器破片3D分布データ作成

・貝層断面図(18断面図)に基づく貝層3D分布データ作成

・3D空間における土器破片と貝層区分との精緻な対応把握

イ 遺物相互の空間分布分析

発掘調査報告書掲載全遺物アイテムについて空間分布データ(2m×2mメッシュ)を作成し、地形・貝層を考慮した上て遺物アイテム間の関係性を分析します。

遺物アイテム…土器、埋葬人骨、アリソガイ・ハマグリ製磨貝、ハマグリ製貝刃、土器片錘、石鏃、打製石斧、磨製石斧、装飾品(貝類)、装飾品(骨角歯牙)、イヌ埋葬…

ウ 北斜面貝層遺物分布と台地面集落遺物分布との関係

北斜面貝層出土遺物と台地面集落出土遺物との間にどのような関係がみられるのか検討します。

問題意識の例 

・「北斜面貝層に大量投棄された土器型式は、台地面集落からその土器型式の出土はその分少ない」のか「そんなことはない」のか。

・遺物アイテム毎に台地集落出土と斜面貝層出土の構成比はほぼ同じか。異なるのか。

3 3D分析操作技術習得について

第3ランウド学習を進めていく上で、3D分析操作技術の習得がとても大事であると考えます。特にメインソフトであるBlenderの操作技術について意識的にその習得に務めることにします。

4 分析活動のイメージ

第2ラウンドにおける3D分析体験から、技術操作的に精緻になっても基となるデータ(貝層断面図、遺物3D位置データ)に観察限界や誤差があり、貝層移動(動態)については未知の領域となっていることが判明しています。ですから、必ずしも望むような精度で結果が得られるとは限らないことが判っています。そこで、論理的に分析を深めて最終正解を得るという一般研究的活動ではなく、幾つかの異なる作業仮説に基づく複数結果を成果として得ることを目標とし、その複数結果の評価検討を行い、もっともらしさが高い結果の認識に至りたいと思います。


2022年9月18日日曜日

有吉北貝塚学習の再開

 Resumption of Ariyoshi Kita Shell Mound Learning


The Ariyoshi Kita Shell Mound excavation report study that continued from October 2020 to October 2021 will resume. I rely on my Blender skills to improve a little and learn. I will conduct a 3D spatial analysis of the excavated material from the northern slope shell layer.


2020年10月から2021年10月まで継続した有吉北貝塚発掘調査報告書学習を再開します。Blenderスキルが少しだけ向上したことに依拠して学習します。北斜面貝層出土物の3D空間分析を行います。

1 経緯

有吉北貝塚発掘調査報告書の学習を2020年10月から始め、2021年10月まで継続しました。しかし学習の難易度が増大して、それに十分に耐えて乗り越えるだけの力が乏しく、一時休憩しました。その休憩が1ヵ月のつもりが3ヵ月となり、半年、1年となっていました。しかし丸1年間の休憩の間に力の備蓄も増え、学習再開を決断することになりました。8月~9月半ばまでにBlender基礎技術習得を進めたことが学習再開の心理的決め手になったようです。


サイト 有吉北貝塚学習記事集成

有吉北貝塚発掘調査報告書学習ブログ記事の再掲サイト

このサイトでは次の項目別に過去記事を再掲集成しています。

●アリソガイ実験学習 23記事

●有吉北貝塚学習(主に中期以外) 14記事

●有吉北貝塚中期遺構学習 24記事

●北斜面貝層学習 54記事

2 学習課題と問題意識

過去記事115記事を読み返して、次のような課題や問題意識を持つことが出来ました。1年間の休憩によりこれまでの学習をある程度客観的に眺めることができるようになったと感じました。

2-1 台地上の遺構について

・竪穴住居や土坑の時期別把握が正確に出来ていないように感じました。学習を始めた当初はまずは遺跡の状況をざっくりと把握しておこうという予察的思考だったのですが、現時点からみると正確性に欠けるように感じますので、作業し直し、考察しなおすことにします。

・なお、時期別に指標「土坑数/竪穴住居数」を試算してみると第10・11群土器期(加曽利EⅡ式期 磨消以後)でその値が特段に大きくなるようです。集落生活に何かの大きな変化があったのかもしれいないので、検討を深めることにします。

2-2 北斜面貝層について

2-2-1 貝層断面図の3D分析

・貝層断面図の3D分析をおこなうことにより、北斜面貝層の発達史仮説をまとめることにします。ガリー侵食の実体を把握するとともに、ガリー侵食と貝層形成との関連を調べます。過去学習で既にある程度のイメージは出来ています。

・貝層断面図間の貝層連続性を、広域に分布する同一土器破片出土状況を指標に把握します。

2-2-2 全出土物の3D分布把握と分析

・今回学習を再開するにあたり、発掘調査報告書を再読してその中で、次の出土物についても出土位置と層位情報が掲載されていることをあらためて確認しました。中期土器以外の早期土器、前期土器、後期土器、石器、骨角器等です。つまり北斜面貝層については、そこから出土した全ての遺物の出土3D座標がかなり正確に判るということです。そこで、北斜面貝層出土遺物の全部(あるいは主要なもの)について3D分布を把握して分析することにします。

土器を始め石器や骨角器等を同時に3D分布把握し、分析することにより、それだけでも「遺物分布原理」のかなりの部分を考察できると期待できます。

2-2-3 出土物の層位(貝層断面)分析(3D空間分析)

貝層分類(純貝層、混土貝層、混貝土層)と出土土器・遺物の量の対応から、貝層の意義を考察します。特に混土貝層の成因とそれがどのような活動に関連するのか検討します。持ち込まれて破壊された土器と混貝土層が強く関連しています。その様子を3D空間分析して北斜面貝層における「遺物分布原理」を突き止めます。

3 学習ツール

学習のメインは貝層と遺物の3D分布把握・3D空間分析になります。この分布把握・分析ツールとしてBlenderを活用することにします。

4 感想

2021年10月の記事では「貝層断面図間の貝層連続性を、広域分布する同一土器破片を指標に把握できる」ところまで進みました。しかし、その作業をBlenderで効率的に行うスキルと気力の2点で自分に弱点がありました。ブログ記事掲載を優先して、じっくり作業することを軽視する悪習慣もまだ残っていました。しかし、1年経って、Blenderスキルではその時点からくらべ今回は少しですが前進しています。また気力もこの1年間の学習充実ですこしは造成されてきています。じっくり作業を軽視する悪習慣もかなり弱まってきました。なんとしてでも今回は有吉北貝塚北斜面貝層学習をモノにしたいと思います。

5 1年前の作業画面


294土器破片の平面分布の様子


294土器 加曽利貝塚博物館企画展「あれもE…」に展示された様子


発掘調査報告書掲載情報(土器片平面分布図、土器片立面分布図、貝層断面図)から土器片が出土した貝層を特定している様子(illustrator画面)

この作業を今回はBlender3D空間で行います。


2020年12月8日火曜日

有吉北貝塚学習のための分析インフラ整備

 縄文社会消長分析学習 54

有吉北貝塚発掘調査報告書を対象にして、その内容を自分なりに深く分析して加曽利EⅡ式頃をピークとする中期縄文社会消長分析学習を行うこととします。折に触れて近隣遺跡との関係を対比することにしますが、まずは有吉北貝塚の情報を深く分析することに主眼を置くことにします。

1 有吉北貝塚遺構配置図


有吉北貝塚遺構配置全体図

有吉北貝塚発掘調査報告書から引用、塗色。

有吉北貝塚は谷津に刻まれてできた細長い尾根にある狭い台地面に立地しています。台地斜面には貝層が発達しています。解析された狭小台地尾根の特性を巧みに活用して立地していると考えられます。したがって有吉北貝塚の分析学習では遺構と地形との関係が重要なポイントの一つになります。

例えば、斜面貝層の北貝層はガリーを埋めるような立体形状で発達していることから、人口急増期の裸地化に伴うガリー発達とその拡大防止工事としての不要物投棄が貝層発達の要因ではないだろうかと仮想しています。このような観点から分析学習を深めるためには遺跡周辺の地形情報が大切であり、それは単に等高線等の2次元情報ではなく、数値標高モデル5mメッシュ等を活用した地形3Dモデルを使って分析を深めることが重要であると考えます。

2 復元地形3Dモデルの構築

有吉北貝塚周辺は開発により地形が完全に改変されています。したがって国土地理院によって整備された数値標高モデル5mメッシュによる地形3Dモデルは考古事象分析には全く使えません。

そこで開発前の情報から有吉北貝塚周辺の数値標高5mメッシュを生成し、それにより復元地形3Dモデルを構築することにします。


有吉北貝塚分析用の復元地形3Dモデルを構築する必要性と実現性

復元地形3Dモデル構築は考古事象分析そのものではなく、いわば効果的分析を効率的に行うための分析インフラ整備に該当する活動です。急がば回れのたとえにより、まずはエネルギーを集中注入して有吉北貝塚付近の復元地形3Dモデルを作成し、それが成功すれば他の遺跡にもそのテクニックを適用して各遺跡の学習で復元地形3Dモデルを使えるようにしたいと思います。

縄文遺跡で有用な情報が得られた遺跡とは、つまり開発により地形が完全に失われた遺跡であるといっても過言ではありません。したがって、復元地形3Dモデル構築テクニックが完成すれば、それは学習効率化に大きく寄与します。