2023年2月18日土曜日

現存する印旛沼堀割普請の捨土土手地形

 花見川よもやま話 第11話


Existing landform of the embankment of Inbanuma moat construction


Abandoned embankment topography of Inbanuma moat construction in the Tenpo period still exists. In Yokotodai, Hanamigawa Ward, abandoned embankments are used as green spaces. Abandoned embankments are considered to have cultural value.


天保期印旛沼堀割普請の捨土土手地形が現存しています。花見川区横戸台では捨土土手が緑地として利用されています。捨土土手は文化財的価値があると考えられます。

1 現存する印旛沼堀割普請捨土土手地形(高さ着色版)

現存する印旛沼堀割普請捨土土手地形(高さ着色版)

千葉市花見川横戸台付近の花見川両岸台地に天保期印旛沼堀割普請の捨土土手地形が現存している。

地理院地図3Dモデル機能で作成(垂直倍率×9.9)、着色は3DF Zephyr Liteによる。

(水面標高は正しい値となっていない。)

Existing Inba-numa moat division construction dumped embankment topography (height coloring version)

On both sides of the Hanami River plateau near Hanamigawa Yokotodai in Chiba City, there are existing embankments of the Tenpo period, which were constructed by dividing the Inba-numa moat.

Created with the Geospatial Information Authority of Japan map 3D model function (vertical magnification x 9.9), coloring by 3DF Zephyr Lite.

(The water surface elevation is not the correct value.)


3Dモデルの動画

参考 現存する印旛沼堀割普請捨土土手地形(地図版) https://skfb.ly/oEn9T


3Dモデルの画像

2 捨土土手地形の現状


捨土土手の様子(横戸緑地)


捨土土手の様子(横戸緑地)


地形断面の例

3 参考 天保期印旛沼堀割普請作業の様子


江戸働黒鍬之者、大もっこうにて堀捨土かつく図

但し、土の重サ三、四十貫目ゟ、水つき候土ハ七十貫目位迄もかつき候由

久松宗作著続保定記掲載絵図

「天保期の印旛沼堀割普請」(千葉市発行、平成10年3月)より絵図と文章転載

(ゟは「より」)


黒鍬者かつき替之所

鬼つきい云て、申サハ六丁有之所を三丁行、先ノ者江渡こと也

久松宗作著続保定記掲載絵図

「天保期の印旛沼堀割普請」(千葉市発行、平成10年3月)より絵図と文章転載


土方雇之者

是ハ古堀近郷又江戸辺之者にても、其土地之頭ニ随ひやとわれ出たるを云、重キをかつぐこと不叶、乍去無怠慢、図のことき両かつきかこに入、入レ候よりかつきあるくこと少しも弛ることなき故、思ひ之外果敢取候者也

久松宗作著続保定記掲載絵図

「天保期の印旛沼堀割普請」(千葉市発行、平成10年3月)より絵図と文章転載


続保定記掲載イラスト「百川雇丁場堀割之所」

人海戦術による素掘の情景を描いている

(イラストは「天保期の印旛沼堀割普請」〔千葉市発行〕より引用)

4 メモ

堀割の素掘の地形が捨土土手として物として残っています。この物として残っている素掘堀割の文化遺産、土木遺産としての価値について社会が気づき、地域づくりに活用するとともに、後世に伝えていくことが大切であると思います。


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