2023年2月22日水曜日

人頭形土製品(レプリカ)(成田市南羽鳥中岫第1遺跡) 観察記録3Dモデル

 Human head-shaped earthenware (replica) (Minamihadorinakagokidaiichi site,Narita City) Observation record 3D model


I created an observation record 3D model of a human head-shaped earthenware (replica) (Minamihadorinakagokidaiichi site,Narita City) exhibited at the Reiwa4 special exhibition of the Chiba City Archaeological Research Center. I think it's a death mask imitating the face of the burial person. A good 3D model that can be shot around.


千葉市埋蔵文化財調査センター令和4年度特別展に展示されている人頭形土製品(レプリカ)(成田市南羽鳥中岫第1遺跡)の観察記録3Dモデルを作成しました。埋葬者の顔を模したデスマスクであると考えます。周回撮影可能で良好な3Dモデル。

1 人頭形土製品(レプリカ)(成田市南羽鳥中岫第1遺跡) 観察記録3Dモデル

人頭形土製品(レプリカ)(成田市南羽鳥中岫第1遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター令和4年度特別展「遺物から見える地域文化の発達 縄文時代前期後葉~末葉」

撮影月日:2023.02.16


展示の様子

ガラスショーケース越し撮影

3DF Zephyr v6.513で生成 processing 145 images

Human-shaped soil product (replica) (Minamihadorinakagokidaiichi site,Narita City) Observation record 3D model

Location: Chiba Buried Cultural Property Research Center Reiwa4 Special Exhibition "The development of local culture seen from relics: the latter half of the early Jomon period to the final period of the early Jomon period" 

Shooting date: 2023.02.16

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.513 processing 145 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 メモ

2-1 展示説明

展示説明では次のように記述されています。

「人頭形土製品(レプリカ) 重要文化財 成田市教育委員会所蔵

出土遺跡 南羽鳥中岫第1遺跡(みなみはとりなかのごきだい)(千葉市成田市南羽鳥)

成田市中央を流れる根木名川の支流である十日川に面する台地上に位置しています。平成3~6年にかけて断続的に調査されました。

各時代の遺構・遺物が出土していますが、特に縄文時代前期後葉の土壙墓群が注目されます。推定250基と考えられ、中でも2号土坑からはとてもインパクトのある人頭形土製品が出土しています。

装身具や浅鉢も含め、これらの資料は縄文時代の人々の死に対する世界観を考えるうえで重要なものとして、重要文化財に指定されています。」

2-2 「千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)」の説明

「人頭形土製品は南端の土壙から出土している。人頭形土製品とは人間の頭部を写実的にかたどった土製品をさす。これが出土した土壙の形状は、1.14×0.83m、深さ30cmの楕円形を呈しており、その規模から、被葬者は屈葬の姿勢で葬られたと考えられよう。本遺物は土壙中央の壁際に横たえられており、出土した位置や高さから、遺骸の隙間に置かれた可能性が高い。人頭形土製品は、器高15.1cm・最大幅13.5cm・開口部8.0cm、器厚は頭頂部で最大15cmである。製作技法は土器と同様、輪積み技法を用いているため、中空であり、頭頂部は土器の底部を丸く削って作り出している。また顔面表現のほとんどは、粘土を貼り付けて表現されており、隆帯の貼り付けによる眉表現と膨らませた眼によって落ち窪んだ眼窩を表現し、横位の沈線で閉じた眼を描いている。鼻は立体的で高く、ヘラを用いて鼻孔を深くあけている。口の部分もほかと同様に、粘土の貼り付け後に沈線による表現が行われる。このように各部は精巧に作られるが、頭髪や耳の表現は省略されている。また、唇の下および縁に沿っては穿孔が計4か所にあり、人頭形土製品の使用方法を解明する手がかりとなるものと思われる。例えば、これに紐を通すなどして、蓋を被せる、固定させるなどの機能が考えられるが、慎重に検討する必要がある。人頭形土製品は土器製作技法を応用して作成されているため、逆さにすると容器としても使用でき、土製品と土器の二面性を兼ね備えている。しかし。土器として直立させた場合、底部を丸く削っているために非常に不安定であり、顔面表現も逆になること、また内部の調整が粗いことなど、容器としての機能は二次的なものと判断されるが、副葬品としての性格上、内部に供物を入れて埋葬者に供献した可能性は否定できない。この土壙からは、人頭形土製品のほかは明らかに副葬された遺物はない。また、土製品自体にも時期を明示できる特徴的な文様が皆無であることから使用された時期については不明である。しかし、前期土壙群の範囲内のひとつの土壙から出土していること、土壙形態が前期のそれに類似すること、遺物を共伴する前期土壙の特色に似ていることなどから考え、前期の所産ととらえたい。」


人頭形土製品の写真と出土状況

「印旛の原始・古代-縄文時代編-」(2007、財団法人印旛郡市文化財センター)から引用

3 感想

2019年10月18日記事「縄文前期人頭形土製品(デスマスク)3Dモデル」で、この人頭形土製品を観察した感想を次のように書きました。

「埋葬者の顔を模したデスマスクであると考えます。

眼窩のへこみや鼻のとがり方、唇が出ていることなどの特徴から、長い殯期間を終えて遺体がミイラ化した時点でこのデスマスクがつくられたと考えられます。

殯期間の最後をデスマスク作成で区切り、遺体をデスマスクとともに土坑に埋葬したと考えます。」

参考 2019年に作成した人頭形土製品の3Dモデル https://skfb.ly/6ZnBp


0 件のコメント:

コメントを投稿