2023年2月14日火曜日

加曽利EⅢ式深鉢(四街道市中山遺跡)観察記録3Dモデルのリメイク

 Remake of 3D model observation record of Kasori EIII deep bowl (Nakayama Site, Yotsukaido City)


I made a remake of the 3D model of the Kasori EIII type deep bowl (Nakayama Site, Yotsukaido City) observation record created 3 years ago. Using this model, I learned about the EII/EIII discrimination of caliper-shaped pottery.


3年前に作成した加曽利EⅢ式深鉢(四街道市中山遺跡)観察記録3Dモデルをリメイクしました。このモデルを使って、キャリパー形土器のEⅡ/EⅢ弁別について学習しました。

1 加曽利EⅢ式深鉢(四街道市中山遺跡) 観察記録3Dモデルv2 (リメイクバージョン)

加曽利EⅢ式深鉢(四街道市中山遺跡) 観察記録3Dモデルv2 (リメイクバージョン)

撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」

撮影月日:2020.01.07


展示の様子

ガラス面越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v6.513 processing 39 images

当初作成3Dモデル https://skfb.ly/oDTFV

Kasori EIII type deep bowl (Nakayama site,Yotsukaido City) Observation record 3D model

Location: Kasori Shell Mound Museum 2019 Special Exhibition “That’s also E…” (Inba area edition)

Shooting date: 2020.01.07

Shooting through a glass showcase

Generated with 3D model photogrammetry software 3DF Zephyr v6.513 processing 39 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開

3 メモ

3-1 キャリパー形土器の加曽利EⅡ式とEⅢ式の弁別について

加納実(1995)では、キャリパー形土器の加曽利EⅡ式とEⅢ式の弁別について次のように述べています。

ア 横位連携弧線文土器の出現をもって加曽利EⅢ式土器の成立と捉える。

イ キャリパー土器の加曽利EⅡ式とEⅢ式の弁別基準を次に示す。

1 口縁部文様帯と胴部文様帯を区別する明瞭なヨコ一次区画効果(稲田1972) の減少

2 口縁部主文様(渦巻文)と副文様(区画文)の一体化

3 胴部懸垂文と口縁部文様の癒着

4 胴部の縣垂文効果を有する無文部が拡大し、本来‘‘地”の部分であった縄文部に懸垂文効

果が移行

5 懸垂文を描出する沈線が縄文部の上端で連結し、懸垂文効果が完全に縄文部によって描出される。

参考 加納実(1995):下総台地における加曽利EⅢ式期の諸問題-集落の成立に関する予察を中心に-、千葉県文化財センター研究紀要16

・研究者間でEⅡとEⅢの境は横位連携弧線文土器出現を指標とするということで合意形成されているようです。

・横位連携弧線文土器出現の頃のキャリパー形土器の特徴は上記1~5に整理されるということのようです。

・1~5の特徴顕現の程度は千差万別でしょうから、キャリパー形土器のEⅡ/EⅢ弁別は困難である場合もあるということです。

・今回3Dモデルをリメイクした加曽利EⅢ式深鉢(四街道市中山遺跡)は上記弁別基準1~4に該当していて、正真正銘の加曽利EⅢ式土器です。上記論文でも加曽利EⅢ式土器として引用されています。

・加納実(1995)以降の加曽利E式土器分類研究発展について今後情報収集することにします。

3-2 3Dモデルのリメイクについて

3年前撮影の写真39枚をハイパス処理して3Dモデルをリメイクしました。土器がショーケース端に置かれているため、カメラ視線が届かない範囲が大きくて、満身創痍の3Dモデルとなりました。しかし3Dモデル正面部分の出来は良好なものとなり、学習資料作成という意味では満足感をおぼえる作業となりました。


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