2025年9月20日土曜日

3D座標付き遺物データベースのBlender格納と分析

 Blender Storage and Analysis of a Database of 3D Artifacts with Coordinates


I am currently investigating Blender storage and analysis of a database of 64,000 artifacts excavated from a shell midden, complete with 3D coordinates.

There are approximately 30 fields, and initially, I thought it would be unrealistic to store all of the information in Blender, given the need for updating information. However, as I continued my research, I came to believe that Blender is capable of storing all of the information, and that this is the key to streamlining the analysis.


貝塚から出土した64000遺物の3D座標付きデータベースのBlender格納と分析について検討を進めています。

項目(フィールド)が30くらいあり、当初は、全情報のBlender格納は情報更新なども考慮して非現実的であると考えていました。しかし、検討を進めるなかで、Blenderに全情報格納が可能で、それが分析効率化の鍵であると考えるようになりました。

1 これまでの3D座標付きデータベースの分析と表現方法イメージ

1-1 3D座標付き遺物のBlenderプロット

3D座標付き遺物(58000程度)をID(遺物番号)付きでBlenderにオブジェクト(CUBE)としてプロットします。

現在座標読取作業の一環としての予備作業として、これまでに3D座標を読みとった遺物50000をBlenderにCUBEとしてプロットしています。ただ、この作業は12000遺物のプロットに82分かかったので、58000遺物では396分(6時間半以上)かかります。しかし、1回きりの作業ですから、作業を細切れにすれば、できないことはありません。

1-2 BlenderPythonによるID-項目対応表による遺物分布分析結果の表示

3D座標付きデータベースの原簿(postgreSQLファイル)から必要な項目の情報を取り出し、その項目そののもの、あるいは項目間の関係をExcel等で分析して生成した新項目をcsvファイルにします(ID-項目対応表)。このID-項目対応表をBlenderPythonスクリプトでBlender3Dビューポートで表示します。3D空間密集性などはBlenderPythonでBlenderの中で分析し表示します。

土器の3D分布表示→(項目「遺物分類」の1「土器・土製品」を表示させる。)

骨密集域の3D分布表示→(項目「遺物分類」の5「骨・歯」を表示させる。次にBlenderPythonで密集域の大小をランク分けして色別に表示させる。

1-3 問題点と特徴

・最初の遺物プロットに時間がかかり、座標情報の訂正がある場合などに臨機の対応が困難です。

・分析毎にpostgreSQLから情報を抽出し、ID-項目対応表作成がいつも必要です。

・ID-項目対応表の範囲で、Blenderの中で直接分析作業することができます。

2 現在検討中の3D座標付きデータベースの分析と表現方法イメージ

2-1 3D座標付き遺物と項目情報のBlenderプロット

BlenderPythonにより、ID-3座標資料(csvファイル)をBlenderに点群としてプロットします。予備作業では2500遺物では一瞬であり、58000遺物では数分程度と見込まれ、時間消費は事実上無視できます。これはオブジェクト(CUBE)を生成しないためです。

BlenderPythonにより、全項目(フィールド項目)情報(csvファイル)を遺物へ「メッシュ属性」として付与します。整数による区分が可能ではない情報(文字情報など)はオブジェクトの「カスタムプロパティ」に格納します。

上記作業は最初は同時に行います。情報更新は項目毎に全情報差し替えで行い、簡易な作業でできるようです。

2-2 geometry nodesによる遺物分布分析結果の表示

geometry nodesによりメッシュ属性として付与された情報を分析してその結果を実体(オブジェクト)として表示します。Blenderのなかで作業が完結することが多いと想定できますので、分析作業の効率化が期待できます。

2-3 問題点と特徴

・全体システムはイメージであり、詳細の構築はこれからです。

・最初に実体(オブジェクト)をつくらないので、システム構築が容易です。

・分析活動の手間が減り、効率化が期待できます。

・geometry nodes習熟が必要です。

3 感想

Blenderに58000遺物×30項目情報を全部格納して、3D空間分析が可能であるとイメージできるようになったのは、自分にとって画期的です。geometry nodes習熟を急ぐことにします。


geometry nodesで生成した遺物3D分布モデル


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