Methods for Setting the Measurement Target Space for Artifact Density Measurement
I began investigating methods for setting the measurement target space for artifact density measurement of the shell layer on the northern slope of the Ariyoshikita Shell Mound. I initially identified three methods. As a method for setting the measurement target space based on the artifact distribution itself, I tried setting it as a voxel union.
有吉北貝塚北斜面貝層の遺物密度計測のための計測対象空間の設定方法について検討をはじめました。とりあえず3つの方法を抽出しました。遺物分布そのものに基づく計測対象空間設定方法では、ボクセルの和集合で設定してみました。
1 遺物密度計測のための計測対象空間の設定方法
1-1 遺物分布そのものに基づく方法
【考え方】
遺物出土位置を指標する頂点に球(あるいはCUBE)を設定し、重なった球(あるいはCUBE)の外縁形状を計測対象空間とします。
【例】
rを任意の数値として設定します。(例 0.3m)
rを半径とする球を全頂点に設定し、重なった球の外縁形状が成す空間を計測対象空間とします。
【作業の実際】
重なった球の外縁形状が成す空間の体積を直接計測する方法がないので、重なった球の外縁形状からボクセルの和集合を設定して、その体積を計測し、遺物分布密度を測定します。
1-2 地形(ガリー侵食地形)を計測対象空間とする。
【考え方】
復元したガリー侵食地形に蓋を被せた空間を計測対象空間とします。
【例】
Blenderでガリー侵食地形に蓋を被せた空間を設定します。
計測対象空間体積はBlenderで計測します。
1-3 3Dグリッドシステムを設定し、3Dグリッドで計測対象空間を設定する。
【考え方】
復元したガリー侵食地形と遺物出土位置を完全に内包する3Dグリッド空間を計測対象空間とします。
【例】
グリッドの大きさを設定します。(例 1m×1m×1m)
Blenderでワールド原点を原点とする3Dグリッドシステムを設定します。
復元したガリー侵食地形と遺物出土位置を完全に内包する3Dグリッド空間を計測対象空間とし、グリッド数から計測対象空間体積を求めます。
2 遺物分布そのものに基づく計測対象空間設定方法の検討(予察)
2-1 遺物分布(事例)
遺物分布(事例)
遺物平面座標読取作業の最終ロットにおける遺物分布(1320遺物)を事例として、以下の検討を進めました。
2-2 r=0.3m球分布重なりによる計測対象空間
r=0.3m球重なりによる計測対象空間
Blenderではこの資料から計測対象空間体積を算出できないので、この方法から直接遺物密度を計算できません。
2-3 ボクセルによる計測対象空間の設定とそのメッシュ化による体積計測
ボクセルで作った近似空間
「r=0.3m球分布重なりによる計測対象空間」の近似空間をボクセルでつくり(「ポイントのボリューム化」)、それをメッシュオブジェクトに変換する(「ボリュームのメッシュ化」)ことにより体積計測します。
この例では計測対象空間の体積は76.6987㎥となりました。(遺物密度は1320/76.6987㎥=17.21/㎥)
参考 ボクセル近似空間と遺物出土位置の関係
Blender作業を進めるなかで、「r=0.3m球分布重なりによる計測対象空間」という最初の設定にこだわる必然性は特段ないことに気が付きました。ボクセルに関わる諸元を操作して遺物出土地点分布の外縁を縁取るにふさわしいボクセル分布を見つけて、その諸元をもって「計測対象空間」とすることで問題はないと考えます。球重なりによる形状よりボクセル分布形状の方が「計測対象空間」としてふさわしいように感じます。
体積計測用オブジェクト作成のためのgeometry nodes
2-4 参考 凸包
凸包
遺物分布から凸包をつくると、その体積は90.8875㎥となります。凸包では外形の曲線的成分が全て直線的成分あるはい凸形成分に置き換わるため、「計測対象空間」設定には不向きです。
3 感想
頂点分布に近似する3D空間をボクセルでシミュレーションしながら作成できる方法を今回の検討で知ることができました。今後の検討に大いに役立つ操作技術です。
またBlender本体ではできない体積計測をアドオン3D Print Toolboxでできるようになりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿